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過去からの弔鐘 の商品レビュー

3.9

9件のお客様レビュー

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2016/03/05
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

ローレンス・ブロックの作品はいくつか読んだことがあったが、マット・スカダー物は初めて。いつか読もうと思っていたのが…。なんとこの1作目はもう40年前!の作品。 今読むと、話の真相自体はさほど衝撃的でもないしヒネリもなく小粒な印象。 リュウ・アーチャー辺りの”孤高の探偵が汚れた街を行く”タイプの正統派ハードボイルトで、話はシンプルながら主人公のキャラがしっかりとたち、脇にところどころ印象的な人物が出てきて、洒落た会話楽しめる。 今読んでも古さをさほど感じないのは、田口氏の訳に負うところも大きいかもしれない。 いまだ書き続けられているようなので、追いつかないと。

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2014/09/21

格好良いのかと言われればそうでもない。気になったところがあればじっくりこつこつ処理していく。でもその根本としてひらめきがあるから、努力も実るのか。これじゃエジソンか。

Posted byブクログ

2014/04/20

スカダーシリーズ1作目。主人公が非常に渋い。 展開も派手なものではないし、 正直犯人も分かりやすい。 でもなんていうか主人公の信条というか、 事件へ立ち向かう姿勢が好きだ。 次も読みたいと思わせる。 訳も読みやすいと思う。

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2013/09/11

「過去からの弔鐘」(ローレンス・ブロック:田口俊樹 訳)を読んだ。私ってば、ローレンス・ブロックは「八百万の死にざま」しか読んでないんだっけかな?少なくともこの作品は初めてだな。新味はないけれど、変に力んで白けさせることもなく、マット・スカダーという人物を見事に創り上げている。

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2013/05/03

面白いシリーズものを見つけた。しばらくは続編も楽しめるとラッキーな気分になっている。 探偵マット・スカダー・シリーズ。 訳者によれば“新ハードボイルド”の探偵たちの仲間入りを果たしたとある。 抑制のきいた簡潔な文体。 己の主義をあくまで貫く愚直な主人公。 “新”の意味は私に...

面白いシリーズものを見つけた。しばらくは続編も楽しめるとラッキーな気分になっている。 探偵マット・スカダー・シリーズ。 訳者によれば“新ハードボイルド”の探偵たちの仲間入りを果たしたとある。 抑制のきいた簡潔な文体。 己の主義をあくまで貫く愚直な主人公。 “新”の意味は私にはわからないが、探偵もののハードボイルド小説としての魅力は十分にみせつけてくれた。 “新”どころか“古典”を感じたくらいだが、そんな細かいことは関係ない。実に小気味よく、あざやかにまとめられている。 世の暗闇を歩くネクラの探偵が、真っ暗な中にも一筋の光を見出す。清廉とさえいえるところだが、それは彼の哲学でもあり、自身でも制御不能な生き様なのだろう。

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2015/04/21
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

こぶ平のお勧め。 作者が良いのか、訳者が良いのか、最初の数ページでしびれる文章が幾つかあった。 素晴らしい。 いわゆるハードボイルドの類だが、血や汗、煙草のヤニ、さらに汚いものたちがかもしだすベトベトした雰囲気ぐなくて良い。 なんともいえない乾いた感じというか。 そういえば、主人公はよくシャワーを浴びて着替えていた。 訳者のあとがきによれば「品格」、私に言わせれば、清潔感に近い気がする。 といっても、主人公がcleanな訳ではない。 「清」いの方ではなく、「潔」いの方か。 面白かった。

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2016/01/17

普段あまりハードボイルドは読まないけど、猛烈なブロック推しをしているひとがいたので読んでみた。既に解決済みの、どこにでもありふれている娼婦殺人事件。犯人は自殺。親の要望で再調査を依頼されたアル中探偵・スカダーは事件のわずかな痕跡が追うと、どこにもおかしな所は無いように思われた事件...

普段あまりハードボイルドは読まないけど、猛烈なブロック推しをしているひとがいたので読んでみた。既に解決済みの、どこにでもありふれている娼婦殺人事件。犯人は自殺。親の要望で再調査を依頼されたアル中探偵・スカダーは事件のわずかな痕跡が追うと、どこにもおかしな所は無いように思われた事件の裏に、少しずつのズレと違和感を見つけていき、そして新たな真実を見つける。人間臭さの塊みたいなスカダーのセリフが味わい深い、地味なんだけど良いHB。こういうカッコよさはたまに触れるとすごく痺れる。シリーズの続きが読みたくなった。

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2011/04/16

 私はアルコールが好きだ。舌が肥えていないので、今のところは安いビールでも構わない。まあとにかく、小説でお酒の描写があると何だか嬉しく思う節があるわけで。  そして本書は、アル中で探偵をやっているという、まさに私好みのミステリとなっている。『過去からの弔鐘』、なんてかっこいい題名...

 私はアルコールが好きだ。舌が肥えていないので、今のところは安いビールでも構わない。まあとにかく、小説でお酒の描写があると何だか嬉しく思う節があるわけで。  そして本書は、アル中で探偵をやっているという、まさに私好みのミステリとなっている。『過去からの弔鐘』、なんてかっこいい題名なんだろう! あらすじ アル中探偵マット・スカダー・シリーズ 大都会ニューヨークで、人々は今日も孤独に生きている。元警官のアル中探偵への依頼は、ヴィレッジのアパートで殺された娘の過去を探ってくれというものだった。犯人は逮捕された後、独房で自殺していた。スカダーは二人の過去を調べはじめたが、意外な真相が明らかになっていく! 大都会の片隅で生きる人々の哀歌を鮮烈に描き出して人気急上昇の現代ハードボイルド・ミステリの傑作!  本書は、マット・スカダー・シリーズの第一作目。訳者あとがきによると「いわゆる“新ハードボイルド”の探偵群の仲間入りを果たした」そうだ。そのあたりの知識は芳しくないので触れないことにするが、それでも殴りっぱなし系の探偵ではないことが分かった。多かれ少なかれ、ロス・マクのアーチャーを思い浮かべたり。 好きなシーンの一つは、例えばこんな感じ。 「コーヒーとお酒。なんだか変な取り合わせね」 「そうかね?」 「お酒は人を酔わせるもので、コーヒーは人を素面にするものだもの」 私は首を横に振った。「コーヒーは人を素面にするものじゃないよ。コーヒーは人をただ眼覚めさせるだけさ。だから酔っぱらいにコーヒーを与えれば、それはよく眼覚めた酔っぱらいができあがるだけだよ」 「それがあなたなの、マット? よく眼覚めた酔っぱらいというのが?」 「私はそのどちらでもないよ」と私は答えた。「だから飲んでるのさ」  スカダー、なんてかっこいい台詞を言うのだろう。それが全然寒くない。そもそも、コーヒーにお酒を入れて飲むことを知らなかったので、その描写に少し驚いた。「コーヒーわり」ってことだろうか。  それで、スカダーが追う今回の事件は至って暗い内容のものだった。それなのに、スカダーの抑えられた言葉で和らいでいるような気がする。そして、この事件は今の日本でも通用するようなことだと思った。依頼を頼んできた父親を見て、父親って一体どんな生き物なのだろう……と。 その事件に絡めて、スカダーが警官を辞めた理由も明かされていて、なんともやるせない気持ちになってしまった。教会に行くシーンだなんて特にそうだ。  それでも、元の奥さんとの電話とのやりとりが、寂しくもあり微笑ましくもあり、幾分かは救われる。 (百石)

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2011/07/31

アル中探偵マット・スカダーシリーズの1作目。飛び飛びで読んでいる(手に入った順)のですが。一作目から、もう良すぎ!!しっかりと出来上がった人物の魅力がたまらない。さすがだ。大都会ニューヨークで、人々は今日も孤独に生きている。元警官のアル中探偵への依頼は、ヴィレッジのアパートで殺さ...

アル中探偵マット・スカダーシリーズの1作目。飛び飛びで読んでいる(手に入った順)のですが。一作目から、もう良すぎ!!しっかりと出来上がった人物の魅力がたまらない。さすがだ。大都会ニューヨークで、人々は今日も孤独に生きている。元警官のアル中探偵への依頼は、ヴィレッジのアパートで殺された娘の過去を探ってくれというものだった。犯人は逮捕された後、独房で自殺していた。スカダーは二人の過去を調べはじめたが、意外な真相が明らかになっていく。

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