1,800円以上の注文で送料無料

山中放浪 の商品レビュー

5

1件のお客様レビュー

  1. 5つ

    1

  2. 4つ

    0

  3. 3つ

    0

  4. 2つ

    0

  5. 1つ

    0

レビューを投稿

2022/04/01

 1944年12月28日、著者は里村欣三とともに報道班員として降り立ったフィリピンは、日本軍が敗走し、既にゲリラ戦に突入する直前の段階だった。日本軍はとうの昔に制空権を失い、1945年1月1日の出発を最後に、台湾との連絡も途絶えた。  著者は里村とともに、ルソン島北部への逃避行に...

 1944年12月28日、著者は里村欣三とともに報道班員として降り立ったフィリピンは、日本軍が敗走し、既にゲリラ戦に突入する直前の段階だった。日本軍はとうの昔に制空権を失い、1945年1月1日の出発を最後に、台湾との連絡も途絶えた。  著者は里村とともに、ルソン島北部への逃避行に加わる。途中、1945年2月に司令部に向かった里村は、空爆の爆風で内臓を破裂させて戦死。著者は在留日本人の避難先や、第四航空軍の残存部隊と同行し、1945年5月、偶然不時着した偵察機に同乗、ただ一人、台湾に脱出した。  戦時末期のフィリピンでの日本軍の惨状、フィリピン人たちから日本人日本軍が疎まれていた様子が赤裸々に綴られる。「員数外」として持て余されていた特攻隊の生き残りたちにかんする記述は重要(当時の新聞記事と照合する必要あり)。ところで、著者が台湾脱出後『台湾新報』に連載していたという小説は見つかっているのだろうか?

Posted byブクログ