ヴァルザーの詩と小品 の商品レビュー
どこまでも小さな、されどそれこそがすべてであるような自分の世界を、この世界の大きさとそっくり同じになるまで言葉で埋め尽くすことを決意したような文章が、延々と綴られていく。 収められたひとつひとつの小品のエピソードに、これといった繋がりや脈絡はないのだが、通底している不気味なまで...
どこまでも小さな、されどそれこそがすべてであるような自分の世界を、この世界の大きさとそっくり同じになるまで言葉で埋め尽くすことを決意したような文章が、延々と綴られていく。 収められたひとつひとつの小品のエピソードに、これといった繋がりや脈絡はないのだが、通底している不気味なまでの静かなまなざしが、文体にじっとりとした湿り気を与えている。 何か読んではいけないものを読んでしまったような読後感がある。
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