腦病院へまゐります。 の商品レビュー
谷崎潤一郎が好きな方…
谷崎潤一郎が好きな方におすすめ。とにかく濃い、と思った。
文庫OFF
カフェー女給と学生の…
カフェー女給と学生の風変わりな恋愛。重いのか軽いのか、わかりませんでした。
文庫OFF
予想よりきつかったです、耽美を追求してるけど下俗に堕ちてるエログロ…ちょっと男がろくでもないのと女が思い込み激しくてあてられる。
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純文学は文体構築を志向するという観点から見たら、なかなか面白い。 平野啓一郎の衝撃にはまだ届かないが。 谷崎の悪魔主義にかぶれた男性に惚れ抜いてしまった女性の手紙、 という体裁をとっているが。 谷崎の悪魔主義からは外れてしまっている、ということをこの女性は覚めた眼で見抜...
純文学は文体構築を志向するという観点から見たら、なかなか面白い。 平野啓一郎の衝撃にはまだ届かないが。 谷崎の悪魔主義にかぶれた男性に惚れ抜いてしまった女性の手紙、 という体裁をとっているが。 谷崎の悪魔主義からは外れてしまっている、ということをこの女性は覚めた眼で見抜いている。 惚れ抜いてはいるが、冷たい眼や打算的な感情ももっているところが面白い。
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このクソッタレな時代を、若合春侑が壊してくれる。 噫、私のおまへさまは何処。 此の世にどうして藝術といふものが生まれたかは、生まれ持つて強く大きく過敏に感受する氣性の人が、湧き上がりトグロを卷く感情の種を自分の内側に閉ぢ込めて置けず宥め切れず体の外に出さずにはゐられないか...
このクソッタレな時代を、若合春侑が壊してくれる。 噫、私のおまへさまは何処。 此の世にどうして藝術といふものが生まれたかは、生まれ持つて強く大きく過敏に感受する氣性の人が、湧き上がりトグロを卷く感情の種を自分の内側に閉ぢ込めて置けず宥め切れず体の外に出さずにはゐられないから、さういふ自分自身を救ひたくつて形有るものをこさへる、呻き乍、吠え乍、苦しみ乍、自分を救ふ代りに種を吐き出す、芽が出てすくすく育つて咲いた其のモノが藝術、命の宿る花を観て厭な氣分になる者藝術はゐない、だから一度は造り手といふ誰か一人を救つたものは結果として、読む者、観る者、聴く者を救ふのだらうと私はナントナク思つたものだつた
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個人的な思い出とともに、とても思い入れがある本。最後の開き直りとも思える主人公の気持ちの変わりようが清々しい。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
腦病院…強すぎる女の愛、いたぶる男、衝撃的な描写。SMと言ってしまうとなんだかチープになってしまわないか。もっと濃厚で、くらくらする湿った世界観。カタカナ…書生にしいたげられる静かな下女の扱われ方が、これまた刺激が強い。老婆になり、死に場所を探して徘徊するうちに見つける、ある事実。 本書は好きだが、ドグラ・マグラはねちっこいだけで錯乱って感じがしないような気がするし(だから飽きて途中までしか読んでないからか?)、この作者のリスペクトする谷崎も、春琴抄を読んだだけなのでしっかりした評価ではないと思うが、この本に比べればあっさりめな内容だと感じた。
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119、120回芥川賞候補になった2作を掲載。 とても過激。ポーズとしてではないSMというものの、激情に感電させられた。旧仮名で記されているところが、現世界と一線を画しているようで、逆に生々しい。臓腑を無理やり引きずり出されるよう。
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脳病院と言うのは当時の精神病院のことです。 発売時、究極の情痴小説と評された問題作です。 主人公の女性は精神病院に入れられてしまうくらいの、はっきり言えば変態的な愛し方を相手からされます。緊縛とか浣腸とか、SM的なグロい描写が多いです。嫌悪感を抱く人もあるかと思います。かと...
脳病院と言うのは当時の精神病院のことです。 発売時、究極の情痴小説と評された問題作です。 主人公の女性は精神病院に入れられてしまうくらいの、はっきり言えば変態的な愛し方を相手からされます。緊縛とか浣腸とか、SM的なグロい描写が多いです。嫌悪感を抱く人もあるかと思います。かといって、そういう性的興奮を喚起する話なのかというと、そういうこともありません。けっしてきれいな恋愛ではありませんが、主人公の一途な想いがエスカレートしていくだけなので、主人公の人格は好きになれます。評価はどうあれ、いつまでも記憶に残る異質な作品です。 また、文章がわざと旧かな使いを多用しているので、読みづらいかもしれませんが、時代感を醸し出すのには効果的だったと思います。 乱歩が好きな人は受け入れられるはずです。
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[出版社・メーカーからのコメント] 究極の情痴文学ここに現わる!! 昭和初期、濃密な男女の情痴世界。愛する男から虐げられつづける女にとって、魂の救済とは何だったのか。第86回文學界新人賞受賞作 昭和初期、カフェーの女給をしていた人妻の「私」は、谷崎潤一郎を敬愛するサディストの帝大...
[出版社・メーカーからのコメント] 究極の情痴文学ここに現わる!! 昭和初期、濃密な男女の情痴世界。愛する男から虐げられつづける女にとって、魂の救済とは何だったのか。第86回文學界新人賞受賞作 昭和初期、カフェーの女給をしていた人妻の「私」は、谷崎潤一郎を敬愛するサディストの帝大生と出会い男女の仲になるのだが、閨房での辱めは想像を絶するものだった。それでも相手を愛する「私」にとって、魂の救済とは何だったのか──。文學界新人賞を受賞し、“究極の情痴文学”と絶賛された表題作の他一篇を収録。解説・島田雅彦
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