イザベラね の商品レビュー
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
「イザベラね」だけれど、イザベラは全編にわたって頻繁に、ぼくの思い出のなかの大内先生の電話口でのつぶやきに出てくるのみ。そう、すべてがぼくの思い出話なのだが、おそらく多くの、まして文学に関心がないひとにとってこの作品のどこが面白いのという感想が聞こえてきそうですが、このストーリーも起承転結もないどこに焦点を絞ったらいいのかまったく分からない、いやコミさん自身そんなことを思ったりもしない、だからこの作品は不思議な面白さを僕には与えてくれる。でも、素敵な言葉をみつけましたよ。「しかし、世間的には、これは没落のようなことになるのだろう。でも、ぼくは、没落なんて言葉はきらいだ。だれがどうなろうと、なにをしようと、その人のかってじゃないか、それをはたから見て、没落なんてヌカすな、と言いたかった。」
Posted by
- 1