初版グリム童話集(5) の商品レビュー
「初版」というのが目をひきます。いうまでもなく、童話として作り変えられるまえの「グリム童話」のことを示しているからです。 一般的に「恐い」「残酷」などといったイメージで語られる「グリム童話」ですが、個人的な感想としては「意味が分からない」という感じです。魔人のような小人の力を借り...
「初版」というのが目をひきます。いうまでもなく、童話として作り変えられるまえの「グリム童話」のことを示しているからです。 一般的に「恐い」「残酷」などといったイメージで語られる「グリム童話」ですが、個人的な感想としては「意味が分からない」という感じです。魔人のような小人の力を借りてお姫さまを略奪して結ばれたり、老いた老兵がなぜか突然城を手に入れたり、悪魔と契約をして力を借りたのにそれを解消して幸せに暮らしたり、怠け者の妻に糸紡ぎをさせようとする夫が途方に暮れたり、ひもじさのあまり一家心中をしたり……感想を書きようもないほど謎でした。勧善懲悪やいましめでもなければ恨みを晴らすというわけでもありません。成功を手にする物語が多かった気がしますが、いったいなんだったのでしょうか……。すくなくとも、”子どもに語るべきではない物語も含まれている”という懸念は当時からあったらしく、第2版からは子どもに不向きな残酷な場面などが削除され、それがやがて第7版に至るまでに創作童話に近づいてゆくことになった……とのことでした (pp. 222-223)。 いつか再読したいところですが、そのまえに、関係する本をさきに読んでみたいと思います。
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[ 内容 ] 「踊ってすりきれた靴」「ジメリの山」「金の鍵」など43篇を収録。 解説と全156話の索引付。 [ 目次 ] [ POP ] [ おすすめ度 ] ☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度 ☆☆☆☆☆☆☆ 文章 ☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー ☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性 ☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性 ☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度 共感度(空振り三振・一部・参った!) 読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ) [ 関連図書 ] [ 参考となる書評 ]
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