垂直に挑む の商品レビュー
昭和30年代のクライマーの手記。私小説風で登攀の際の心の動きやパートナーに対する気持ちなどが赤裸々に書かれててとても読ませる。数々の積雪期初党など実績も凄い人物。 ただ、この頃のクライミングの技術についてどんな物なのかディテールがよく分からない。「確保」って書かれているのがいっ...
昭和30年代のクライマーの手記。私小説風で登攀の際の心の動きやパートナーに対する気持ちなどが赤裸々に書かれててとても読ませる。数々の積雪期初党など実績も凄い人物。 ただ、この頃のクライミングの技術についてどんな物なのかディテールがよく分からない。「確保」って書かれているのがいったいどんな事だったのかすごく気になる。シットハーネスもまだない頃なので、ロープを直接腰に巻いてると思われるし、ビレイデバイスも当然ないので肩がらみのビレイを確保と言っていると推測する。プロテクションは主にハーケンで、アブミを使ったりハーケンを掴んだりもしているようで、今で言うフリーとは違うものなのはわかる。カラビナは使われてるようだけども、直接ハーケンにカラビナでロープを掛けているよう。それと、「岩角」と言うのが今で言うホールドの事だと思われる。 これらのことを考えると、墜落はまずあり得ない物だし - 実際は本作の中で何度かの墜落の描写がある - トップの精神的な負荷は現代に比べると高かったのではないか?とも考える。ただ、現代のビレイシステムを知って当時を見ると不安でしかないのが、当時は肩がらみがベストなビレイだったのだとすると、そう言った負荷は無かったのかもとも思われる。ただ、リスクは確実に現代よりも高かったはず。 半世紀以上前のアルパインクライミングを垣間見る事の出来る優れた一冊。
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この本に綴られているのは積雪期初登の記録です。 しかし、ただ登りましたではありません。 困難な登攀の中で吉尾弘というクライマーが何を考えていたかを本人の言葉で書かれている、その迫力が凄い。
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戦後の名クライマー吉尾弘の華々しい登攀記録。 特に、アルピニズムの追求を目指して登っていた男達の生き様が凄い。 また、著書では簡単に書かれているが、日本でも屈指の難ルートを厳冬期にチャレンジしていく姿がすごい。 学生時代に読んでいたら、自分の山登りは大きく変わっていたのではな...
戦後の名クライマー吉尾弘の華々しい登攀記録。 特に、アルピニズムの追求を目指して登っていた男達の生き様が凄い。 また、著書では簡単に書かれているが、日本でも屈指の難ルートを厳冬期にチャレンジしていく姿がすごい。 学生時代に読んでいたら、自分の山登りは大きく変わっていたのではないかと思う。
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