死者が飲む水 改訂完全版 の商品レビュー
前作『斜め屋敷の犯罪』に登場していた、牛越刑事が主役を務める、社会派の雰囲気を持つ作品です。 地道な捜査と、繰り返される試行錯誤の中で浮き彫りになる、牛越刑事の実直な人柄が良いですね。 また、当時の世相を作品に反映させる手腕も見事でした。 これまでの作品とは違った印象ですが...
前作『斜め屋敷の犯罪』に登場していた、牛越刑事が主役を務める、社会派の雰囲気を持つ作品です。 地道な捜査と、繰り返される試行錯誤の中で浮き彫りになる、牛越刑事の実直な人柄が良いですね。 また、当時の世相を作品に反映させる手腕も見事でした。 これまでの作品とは違った印象ですが、作者の引き出しの多さを感じる一冊だと思います。
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モーさんこと牛越佐武郎が主役の作品で、著者の第3作目です。ボケをかますにしても、いくら何でも塩ジャケはねぇー。と凡庸さが前面に出たモーさんですが、自信満々の推理がダメダメすぎて、まったり進行です。クロフツの『樽』のようなアリバイ崩しなのですが、腋の下にメッチャ汗をかきかきして、社...
モーさんこと牛越佐武郎が主役の作品で、著者の第3作目です。ボケをかますにしても、いくら何でも塩ジャケはねぇー。と凡庸さが前面に出たモーさんですが、自信満々の推理がダメダメすぎて、まったり進行です。クロフツの『樽』のようなアリバイ崩しなのですが、腋の下にメッチャ汗をかきかきして、社会派ミステリにもなっています。トリックも良く佳作です。これで昇進し、部長刑事として『斜め屋敷の犯罪』を解決する流れなのですね。中村刑事を信頼するわけだ。(1983年)
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この作品はいわゆるトラベルミステリーというジャンルにあたるのだと思いますが、このジャンルの作品を今まで全く読んだことがなかったので自分の推理の仕方がかなり見当外れでした。時刻表トリックの勉強になったことも含めて評価★5。 御手洗潔シリーズと違って探偵役(刑事ですが)の人間味が作品...
この作品はいわゆるトラベルミステリーというジャンルにあたるのだと思いますが、このジャンルの作品を今まで全く読んだことがなかったので自分の推理の仕方がかなり見当外れでした。時刻表トリックの勉強になったことも含めて評価★5。 御手洗潔シリーズと違って探偵役(刑事ですが)の人間味が作品の雰囲気を落ち着いたものにしています。作品内の時間もかなり長期間にわたって書かれているので、じっくり読むのに適した作品だと感じました。
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終盤で漸く社会派ミステリーだったんだと納得。辛かっただろうな…。「殺人を止めるほどいい人ではなかった」という台詞にぐさりと来ました。
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札幌の実業家・赤渡雄造の家に届いた2つのトランク。その中に入っていたのは、バラバラ死体となった赤渡本人だった。 鑑識の結果、死因は溺死と判明する。だが、刑事・牛越の必死の捜査にもかかわらず、関係者すべてに鉄壁のアリバイが! 死者の飲んだ水に秘められた、悲しき事件の真相とは!?島田...
札幌の実業家・赤渡雄造の家に届いた2つのトランク。その中に入っていたのは、バラバラ死体となった赤渡本人だった。 鑑識の結果、死因は溺死と判明する。だが、刑事・牛越の必死の捜査にもかかわらず、関係者すべてに鉄壁のアリバイが! 死者の飲んだ水に秘められた、悲しき事件の真相とは!?島田荘司初の社会派本格推理小説。 殺された場所の特定。トランクの移動プロセス。被害者の当日の動向。時刻表を駆使したトラベルミステリーでもあり、札幌、水戸、東京、〇〇をかけまわる牛越佐武郎。 難航する捜査の突破口となるは、喫茶店で彼の背後で青年たちがする…青函連絡船・洞爺丸の話。 台風による暴風と高波により転覆・沈没し、死者・行方不明者あわせて1155人を出した海難史上かつてない事故。 終盤の犯人との対峙。死体を壊した理由。アリバイ崩し。被害者・赤渡の2度の〇〇への出張。そして明かされる昭和31年3月4日に起きた或る事件。 社会派の『飢餓海峡』や『砂の器』には及ばないが良い作品。 しいていえば牛越に若い相棒を添えると、吉敷シリーズとの違いが強調できる。2人いると単独捜査より会話もはずむから。 中村刑事の友情出演は嬉しかった。
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トリックを一つ一つほどいていくのはおもしろい。 けれども、必然性に欠ける、かつ、犯人を捕まえなくても良いのにと思えてしまう。
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アリバイトリックや密室犯罪など派手な謎解きを含むミステリー、 いわゆる「本格」ものの大家・島田荘司の読み切り作品。 今回の謎は、東京の娘から札幌に送られたトランクの中には溺死した実業家・赤渡雄造のバラバラ死体が詰め込まれていたというもの。関係者すべてにアリバイがある中、誰が何の...
アリバイトリックや密室犯罪など派手な謎解きを含むミステリー、 いわゆる「本格」ものの大家・島田荘司の読み切り作品。 今回の謎は、東京の娘から札幌に送られたトランクの中には溺死した実業家・赤渡雄造のバラバラ死体が詰め込まれていたというもの。関係者すべてにアリバイがある中、誰が何のためにどのようにしてこの犯行を行ったのか。定年前の冴えない刑事が真相に迫る。普通、謎解きが中心の本格ものといっても謎解き役にはキャラを立たせようとするものだけど、この話の場合、本当に謎解だけに焦点が絞られていて、キャラクター的には珍しいほど「薄い」と言っていい作品だったと思う。 だからつまらないってわけではなく、やはり趣向を凝らした謎解きはそれだけで面白いということ。
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改定完全版ということで読んでみる。 うはー。 派手な連続殺人も、トリックも出てこないけど、面白いわ。うん。 最終的な結果に「?」な所があるので、☆マイナスするけれども、これは面白い。
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バラバラにされ2つのトランクに詰められて送られてきた被害者。3つ目のトランクは千葉で発見され、被害者の体内からは銚子の水が。牛越刑事の捜査(笑)『火刑都市』の中村刑事も登場し、御手洗シリーズや吉敷シリーズのスピンオフ的な感じ(笑)実際には違うけど(笑) 電車の時刻表でのアリバイは...
バラバラにされ2つのトランクに詰められて送られてきた被害者。3つ目のトランクは千葉で発見され、被害者の体内からは銚子の水が。牛越刑事の捜査(笑)『火刑都市』の中村刑事も登場し、御手洗シリーズや吉敷シリーズのスピンオフ的な感じ(笑)実際には違うけど(笑) 電車の時刻表でのアリバイは苦手(--;)娘の家から送られたトランクに被害者が詰め込まれていた謎は良かった(笑)
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20年ぶりに再読。JRではなく、国鉄、国電。青函トンネルは工事中で青函連絡船。東北新幹線は大宮始発で、新幹線リレー号が上野から運行と、当時の鉄道事情がよく分かります。時刻表のダイヤも掲載されているのが楽しい。中学生の時、松本清張の「点と線」「時間の習俗」を読んで、昭和30年代との...
20年ぶりに再読。JRではなく、国鉄、国電。青函トンネルは工事中で青函連絡船。東北新幹線は大宮始発で、新幹線リレー号が上野から運行と、当時の鉄道事情がよく分かります。時刻表のダイヤも掲載されているのが楽しい。中学生の時、松本清張の「点と線」「時間の習俗」を読んで、昭和30年代とのギャップを感じましたが、今回の読書でも似たような感想をもちました。例えば、今この小説をドラマ化するとしたら、再現するのが大変そうです。先日、銚子へ行ったのですが、ほんの少しだけこの小説のことを思い出しました。
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