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邪馬台国 の商品レビュー

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2017/01/04
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1977年刊行。著者は東京大学教養学部教授。◆魏書東夷伝倭人条は邪馬台国の記載で著名だが、本書はその位置比定、里程の問題を解読するものではない。倭人条には、当時の倭人の習俗、風俗に関する記載があり、これらについて、本書は東アジア各地域との比較を踏まえつつ解説するものである。三世紀の婚姻・女性の地位、王権の特徴など、民俗学的知見を総覧するにはもってこいであるし、原日本人について考える視座を提供する書でもある。また、倭人大乱の事情に関してもかなりの頁を割いている。

Posted byブクログ

2016/02/23

(*01) 邪馬台国はどこにあったか、卑弥呼はどんな人だったか、というありがちなところから離れて、邪馬台国の記事が書かれた魏志倭人伝を人類学的に分析している。 文身や服飾、航海(*02)や占い、婚姻と一夫多妻、王政や住居など、様々な角度から倭人伝を説いており、また紀元後のこの山島...

(*01) 邪馬台国はどこにあったか、卑弥呼はどんな人だったか、というありがちなところから離れて、邪馬台国の記事が書かれた魏志倭人伝を人類学的に分析している。 文身や服飾、航海(*02)や占い、婚姻と一夫多妻、王政や住居など、様々な角度から倭人伝を説いており、また紀元後のこの山島に寄せた文明がそもそも様々な複合であったとも読める。 (*02) 航海術の観点から陸地に定着した文化を考えてみなければならない、海から陸の風景(*03)を眺めてみなければならないと考えてはいたものの、本書に紹介された持衰については全く知らなかった。この風習はどこかコックピットからの操縦を思わせるものであるが、後半に登場する重要な観念であるアムフィクテュオニアと合わせ、この期から以降の山島の祭祀を考える上で大変に興味深い。 (*03) 港市のヒンターラントないし内陸部という、邪馬台国の立地についても説得力がある。古代の駅とその周辺という関係にも適応できそうな交易と資源の歴史的関係である。グローバルとローカルという現代的な視野にも入りそうである。

Posted byブクログ