小説東京帝国大学(下) の商品レビュー
複数感を並行で読了まつり。 謎の男飯野と、学習館の話…はどっかに行って、下巻では延々と南北朝の天皇が2人いたという歴史的事実をどう解釈して、教科書に掲載するかという歴史的なゴタゴタについて、延々と歴史的な資料をまとめた部分がメインとなる。 清張自身もあとがきで書いているが、主...
複数感を並行で読了まつり。 謎の男飯野と、学習館の話…はどっかに行って、下巻では延々と南北朝の天皇が2人いたという歴史的事実をどう解釈して、教科書に掲載するかという歴史的なゴタゴタについて、延々と歴史的な資料をまとめた部分がメインとなる。 清張自身もあとがきで書いているが、主人公らしきものが一切いなくなり、上巻とのつながりは「天皇に関しての自由な言論が許されなかった時代」ということだけ。また、そこに絡めて、幸徳秋水の大逆事件の話が出てくる。 全体に歴史的事実を述べるという形を延々と書いており、上巻に比べて散漫になっていることは否めない。せっかく謎の人物 "飯野" が暗躍するかと思いきや、微妙に出て来る以外にはほとんど動かず。 小説と名打つのであれば、飯野の怪しさを取り上げるか、上巻とはつながらないが、あとがきで書いているように、大逆事件の奥宮のスパイ説などを広げてくれたら良かったのにと思うが、「東京帝国大学」の部分が生かせないか。 全体に、何を描こうとしているのかがわからなくなった後半であった。
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上巻に続き下巻も読んだが、後半は飛ばし読み。 内容が硬く、読むのに骨の折れる作品です。 一般読者には不向きでしょう。 それでも、日本の近代の歴史の学習にはなる。
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帝国大学の経営が国家予算で賄われている以上、どこに真の意味の大学の独立があるえようか。教授が官吏である限り、どこに学問の自由があるのだろうか。ひとたびそれが国家の利益、政府の方針に相反したときは干渉を受けるのは当然の話である。 学問の独立はまことに神聖である。
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