小説東京帝国大学(上) の商品レビュー
明治終盤、私立大学哲学館に文部省の立ち入りが入り、倫理学のテストでの一学生の解答をもとに、師範の免許剥奪が行われた、いわゆる「哲学館事件」をもとに、その解答をした学生、工藤の激動の人生を追う。 上下巻に分かれているようだけど、元々は1巻だったらしい長編のため、また忘れかけた頃に...
明治終盤、私立大学哲学館に文部省の立ち入りが入り、倫理学のテストでの一学生の解答をもとに、師範の免許剥奪が行われた、いわゆる「哲学館事件」をもとに、その解答をした学生、工藤の激動の人生を追う。 上下巻に分かれているようだけど、元々は1巻だったらしい長編のため、また忘れかけた頃に下巻に手を付けることとする。 もともと哲学館事件を知らないで読み始めたのと、舞台は東京帝国大学と思いきや、全く別のところで始まり、別のところでストーリーが進行するため、やや拍子抜けと言う感じ。まあ、上巻はこの程度なのであろう。 Wikipediaによると、かなり実史に近いようで、教官などの名前も同じである。 なお、上巻中盤部から、怪しげな人物が活躍し始め、やや読者置いてけぼり感があり(いずれも実在)、ストーリーもあまり進まなくなってくるため、ややだれた状態である。 でもまあ、当時は教育者と政治家って、ほぼ同義だったのだなあと思えるのは興味深い。今もそうだって?たしかに。
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内容が硬いですね。 ちょっと読みにくいですが、知識を仕入れるという意味では、良い本と思う。 どんな知識かというと、現在の東洋大学の前身が哲学館であるとか、戸水寛人という法学博士が実在し、戸水事件があったとか。
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たたき上げの松本清張がこの本をどういう気持ちで書いたのだろうか。 学制改革論者は帝国大学をして別格におき、広く人材を養成するには、それとは別個な程度の低い大学を数多く作れというのだ。しかしこうなれば帝国大学はしまいには世間から浮き上がってしまうかもわからない。大学側はそれを恐れた...
たたき上げの松本清張がこの本をどういう気持ちで書いたのだろうか。 学制改革論者は帝国大学をして別格におき、広く人材を養成するには、それとは別個な程度の低い大学を数多く作れというのだ。しかしこうなれば帝国大学はしまいには世間から浮き上がってしまうかもわからない。大学側はそれを恐れた。
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