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潤一郎訳 源氏物語(1) の商品レビュー

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2014/05/16

与謝野訳で読んでるので物語的には再読となる。原文に近く風情があり、行間からほのかに香の薫りを感じる。箱入りの単行本で巻名ごとに和紙に筆で書かれ、一場面を描いた挿絵があるのも趣がある。全10巻と別巻から成り、第1巻は桐壺、帚木、空蝉、夕顔、若紫まで。各巻はそれぞれ因果関係があって物...

与謝野訳で読んでるので物語的には再読となる。原文に近く風情があり、行間からほのかに香の薫りを感じる。箱入りの単行本で巻名ごとに和紙に筆で書かれ、一場面を描いた挿絵があるのも趣がある。全10巻と別巻から成り、第1巻は桐壺、帚木、空蝉、夕顔、若紫まで。各巻はそれぞれ因果関係があって物語の構成も巧みである。(なんと須磨の伏線もはってあった)桐壺ゆえに帚木があり、帚木が空蝉、夕顔へ、夕顔が若紫へと繋がる。帝のお嘆きに深く心うたれ、藤壺の宮の色香に惑い、空蝉に複雑な女心を感じ、若草は可愛らしく微笑ましかった。 主語がないため、誰が話しているのか、誰の行いかがわかりにくかったが、敬語に注意すればわかることに気付いた。源氏の君は源氏性を賜り臣下に降られたが、親王のお生まれなので帝についで敬意がはらわれている。女官も少将の君など役職名なのがちと紛らわしいので人名ガイドは必要だ。与謝野訳では源氏はただの好き者にみえたが、谷崎訳では光輝いてみえるのも敬語ゆえかもしれない。 「女御、更衣あまたさぶろひけるなかに…」という原文の冒頭がずっとリフレインしているけど最後まで覚えてないのがもどかしい。

Posted byブクログ