シャネル の商品レビュー
淡々とシャネルの生涯を綴っている。山口路子氏のココ・シャネルという生き方と対照的に学者らしいというのか、感情を交えない語り口である。シャネルのデザインは付き合った男性(どちらも、公爵級!)から着想を得ているというのが面白い。サロンの傲慢さの一端に触れることができたのも収穫。宝石商...
淡々とシャネルの生涯を綴っている。山口路子氏のココ・シャネルという生き方と対照的に学者らしいというのか、感情を交えない語り口である。シャネルのデザインは付き合った男性(どちらも、公爵級!)から着想を得ているというのが面白い。サロンの傲慢さの一端に触れることができたのも収穫。宝石商のカルティエがベルギー大使に間違われてサロンに招かれても、サロンに入ることができずに、屋敷を見て回るだけなら良いと言われたとのことだ。そんなサロンに請われて参加したシャネルという人は改めて、すごい人なのだなと思った。
Posted by
シャネルは以前のクチュリエたちのモード(メイドに着せてもらわなければならない服)を、働く女の為のモードに塗り替えた。 飾り立てることを嫌い、実用的なものを好んだ。 エピソードとして面白かったものは、 以前の飾り立てたモードのアンチテーゼとしてイミテーションジュエリーを考え出したこ...
シャネルは以前のクチュリエたちのモード(メイドに着せてもらわなければならない服)を、働く女の為のモードに塗り替えた。 飾り立てることを嫌い、実用的なものを好んだ。 エピソードとして面白かったものは、 以前の飾り立てたモードのアンチテーゼとしてイミテーションジュエリーを考え出したこと。 現在のアクセサリーはシャネルが作ったのだ。 こういったブランドの本質を少しとはいえ知ると、今まで興味がなかったにも関わらず欲しくなるのが 一般人の性だ。しかし、ココ・シャネル自身は「着たきり雀」で同じスーツを何年も愛用していたという。流行を作り出すことは彼女にとって、商売でしかない。 「廃れるのがモード」と言いつつも、自分自身は 上質なものを長年使い続ける。 シャネルというブランドを追うミーハー側の人間ではなく、ココ・シャネル自身のように自分を持つ、強く美しい人物に少しでも近づくことができるように努力していきたい。 シャネルというブランドではなく、ココ・シャネルという人物について知ることのできる一冊。 ただし読み終わったあとは、シャネルが欲しくなるのでご注意を。
Posted by
著者は本当にシャネルが好きなんだと思う。 ただそれだけがわかる本。ブランドに詳しくない人には読みにくいだろう。
Posted by
2017年19冊目。 ショルダーバックやリップスティック、シンプルで実用的な洋服、ショートカット、ブラック。これらを全てシャネルが生み出したものだったとは。 彼女の時代に対する強いアンチテーゼがこの伝説の存在にさせたのはいうまでもなく、またその常識にとらわれない自由な発想力や、...
2017年19冊目。 ショルダーバックやリップスティック、シンプルで実用的な洋服、ショートカット、ブラック。これらを全てシャネルが生み出したものだったとは。 彼女の時代に対する強いアンチテーゼがこの伝説の存在にさせたのはいうまでもなく、またその常識にとらわれない自由な発想力や、自分のセンスを信じて突き進む推進力の凄さにも感嘆した。 シャネルの残した力強い言葉の数々は、ブランドだから、高価だからという理由でシャネルを身につけている浅はかな女たちにも衝撃を与えるだろう。
Posted by
シャネルという女王の凄まじい哲学の片鱗を感じさせる本書、テーマが面白いだけで著者の力量は感じかなかった。別書にてシャネルを訪ねたい。
Posted by
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
ファッションというものは、人間の感覚においての先鋭的なものをくみ上げられるんじゃないかと思うのです。言葉も論理も追いつかない感覚の早さ、その最上級の早さでもって動く世界が、当時のファッション業界だったかもしれないです。 それゆえに、1920年代のファションの世界に、ポストモダンが見えたりします。
Posted by
シャネルのことを何も知らなかった私には色んなエピソードが新鮮でした。ただ、同じエピソードが繰り返し出てくる感じで、味付けがくどいという、他のレビューに共感。ココ・シャネルの凄さがわかったのは収穫。
Posted by
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
著者は山田登世子。 ファッションブランド論の大学教授らしい。 シャネルについて僕が知ってたのは、あのロゴマークだけ。 読んでみて、 「女による女のためのモード」 「古く、長く続くものを良きとする」 その一方で「モードは早く死んだほうがビジネスになる」 「著作権無用論」 著作権無用論は新鮮でした。裏付けとなるオリジナルへの絶対の自信っては、シャネルならではなのかもしんないが。 商品サイクルの短さは、ビジネスリスクの高さを示すものだと思っていたが、シャネルの考えは逆。 だからこそ、次の流行・次の需要が生まれる→ビジネスが成り立つ。 ふーん。 なるほど。電機メーカーもそうだろうな。だから多額のR&D費。だから無借金。そうかも。
Posted by
いやあ、なんでしょうね。 素材は悪くないはずだし、シャネルという人に興味が持てるくらいには、 面白い本ではありますよ。 実際、時代背景や、個々のエピソードは、 それなりに楽しめました。 でも、なんと言いますか、味付けがくどいんですよね。 人工調味料を振りかけた様な誇張めいた文章...
いやあ、なんでしょうね。 素材は悪くないはずだし、シャネルという人に興味が持てるくらいには、 面白い本ではありますよ。 実際、時代背景や、個々のエピソードは、 それなりに楽しめました。 でも、なんと言いますか、味付けがくどいんですよね。 人工調味料を振りかけた様な誇張めいた文章は、 せっかくの素材をだいなしにしている気がします。 癖のある素材であるのも事実なのでしょうが。 いや、しかし、繰り返しになりますが、シャネル本人の話は面白いですよ。 有名なのかもしれませんが、知らない人は、まぁ、楽しめるかと。 素材は良いんですよね、素材は。 ただ、それだけに、 もっと主観を排して書いて欲しかったといいますか、 まぁ、なんとも惜しい本ではあります。
Posted by
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
[ 内容 ] リップスティック、ショルダーバッグ。 創ったのは一人の天才起業家だった。 その名はシャネル―。 貴族趣味を時代遅れにし、大衆消費社会の寵児に。 ひた隠しにした出自とセレブとの交流、大国アメリカへの親愛感と悔蔑。 辛辣な「シャネル語録」から伝説の生涯に迫る、ファッションブランド研究の第一人者、待望のまるごと一冊シャネル論。 [ 目次 ] 第1章 贅沢革命1―アンチ・ゴージャス 第2章 贅沢革命2―偽物のチカラ 第3章 著作権無用論―マスの思想 第4章 起業家シャネル―ブランド・ビジネス 第5章 スタイルはライフスタイル 第6章 はたらく女 [ POP ] [ おすすめ度 ] ☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度 ☆☆☆☆☆☆☆ 文章 ☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー ☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性 ☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性 ☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度 共感度(空振り三振・一部・参った!) 読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ) [ 関連図書 ] [ 参考となる書評 ]
Posted by
- 1
- 2