古代インドの文明と社会 の商品レビュー
この本は古代インドの歴史や文化を詳しく知ることができるおすすめの解説書です。 「詳しく知ることできる」というと、難しくて読みにくい本というイメージが湧いてくるかもしれませんがこの本は全く違います。ものすごく読みやすく、わかりやすいです。
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ナウシカの宗教学を読んだ後であり、古代インドの宗教、そしてオウム真理教がいかに似ているか、痛感しました。それにしてもインド親しみのない歴史ですね。仏教の起源についても知らない話が多かったです。インドでなぜ仏教が衰退していったのか、という説明、そして仏教の復興運動に至るまでの説明は...
ナウシカの宗教学を読んだ後であり、古代インドの宗教、そしてオウム真理教がいかに似ているか、痛感しました。それにしてもインド親しみのない歴史ですね。仏教の起源についても知らない話が多かったです。インドでなぜ仏教が衰退していったのか、という説明、そして仏教の復興運動に至るまでの説明は新鮮でした。そのように現代までの歴史がこの一巻に書かれるということが、インド史の閉鎖性を物語っているようです。アフガン問題の理解にも少し役だったかも知れません。
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インドに興味があった訳でなく,このシリーズをヒマがあると順に読んでるため読んでみた.これまでまったく知識のない領域だったので,興味深い点多数.
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中央公論社『世界の歴史』シリーズの第3巻になります。従来この地域で不思議と感じているのは、あれだけロシアを除く全ヨーロッパにも等しい巨大な面積を持つ国家で、イギリスによる植民地化以前にこの地を統一した王朝はなく、現在でも一国にいくつもの公用語があるほど多様な文化を持つ地域にもかか...
中央公論社『世界の歴史』シリーズの第3巻になります。従来この地域で不思議と感じているのは、あれだけロシアを除く全ヨーロッパにも等しい巨大な面積を持つ国家で、イギリスによる植民地化以前にこの地を統一した王朝はなく、現在でも一国にいくつもの公用語があるほど多様な文化を持つ地域にもかかわらず「インド」という統一感を持っている、ということです。民族も北部のアーリヤ人、南部のドラヴィダ人、タミル人、シンハラ人(スリランカ系)など多様です。一体彼らを結びつける「インド」とは何なのか。やはりヒンドゥー教なのか? と常々考えています。近年、とくに南インドの独自性が強調され、教科書でもインド洋交易で栄えた南インドの諸王朝(サータヴァーハナ朝、チョーラ朝、パーンディア朝、ヴィジャヤナガル王国etc)が取り上げられるようになり、山川出版社の世界歴史大系でも『南インド』で1冊になるなどされてはいますが・・・。 「インド」の語源はアーリヤ人の言葉で「川」を意味する「シンドゥ」からきており、要するにインダス川が由来となっているそうです。そこにインダス文明が生まれ、アーリヤ人が西北部から侵入してくる。彼らの思想がまとめられたバラモン教が栄えて、それに対するアンチテーゼのように仏教、ジャイナ教も誕生する。十六王国時代からマガタ国が抜け出し、ナンダ朝の変革期を経てマウリヤ朝で古代インドに大帝国が成立する。その後西北部にクシャーナ朝が誕生し、そして北インドにグプタ朝がインド文化の最盛期を花咲かせる、ヴァルダナ朝の時期には古代インドに力はなく分裂のラージプート諸王国時代へとつながっていく、本書はこの流れを丁寧に仏教やヒンドゥー教、カースト制度などを軸に話を進めていきます。 私の疑問はまだまだ氷解してはいませんが、この本はその解答を手助けする一助となるのは間違いありません。 備忘録 「隊商は旅人の友」という格言があるように、仏教の伝道者も隊商たちに同行して布教を行ったため、シルクロード沿いに仏教が伝播していった。 マウリヤ朝初代のチャンドラグプタがセレウコスに贈った象が、セレウコスとカッサンドロス・アンティゴノス1世とのディアドコイ最大の戦いであるイプソスの戦いで活躍する。 スリランカの国旗に描かれているライオンは、ヴァンガ国の王女とライオンとの子であるヴィジャヤが建国をした、との伝説をもとにしている。
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