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真昼の悪魔 の商品レビュー

3.8

48件のお客様レビュー

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2010/03/06

久しぶりに没頭して読めた本。憶えのある感覚ではあったけど、結局こういう大人にはならなくて済んだかな。分岐点はどこで何なんだろう。でも「善を質ではなく量ではかっている」あたりのくだりでほっとしてしまった。そうだよなあ、そういうものじゃないよなあ。宗教に興味を持ったことはないけど、神...

久しぶりに没頭して読めた本。憶えのある感覚ではあったけど、結局こういう大人にはならなくて済んだかな。分岐点はどこで何なんだろう。でも「善を質ではなく量ではかっている」あたりのくだりでほっとしてしまった。そうだよなあ、そういうものじゃないよなあ。宗教に興味を持ったことはないけど、神父の存在がすごく心強いというか安心した。 時間を置いてもう一度読み返したい。 あと解説は医療小説って言ってたけど、あまりそうは思わなかった。時代が違うからかな。

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2009/10/07

どうしてNO IMAGEなのでしょうか?表紙も作品のイメージにあった絵でとても好きです。 内容は素晴らしいの一言なのですけど、それではレビューにならないので 本当の悪とは?誰でも疑問に思うことを医師の目線と神父の視点で描かれています。 遠藤周作先生の本なので、キリスト教の観点が出...

どうしてNO IMAGEなのでしょうか?表紙も作品のイメージにあった絵でとても好きです。 内容は素晴らしいの一言なのですけど、それではレビューにならないので 本当の悪とは?誰でも疑問に思うことを医師の目線と神父の視点で描かれています。 遠藤周作先生の本なので、キリスト教の観点が出てくるのですが 宗教観を除外しても興味深く読めます。 これは1984年に出版されている本ですれど 現代にも通じる問題が色々描かれています。 かなりタブーな問題ですが、障害児、植物状態の高齢者、新薬の開発、精神病の診断 主人公が医師なので、自然医療の問題が多くなるのですが 医療についての知識があまりなくても、それらの問題がとても分かりやすく 描写されていると思います。 一般に悪と言われる事をとにかく試してみる医師の何も感じない空虚な心 今は医療ドラマが多く放送されていますけど、この本の映像化は絶対無理と思います。 ので、是非たくさんの方に読んでもらいたい小説だと思います!

Posted byブクログ

2009/10/07

遠藤周作氏らしいミステリー作品。 「いつの間にか埃が部屋に溜まるように悪魔はひそかに、目だたずに人間の心に入る」 悪魔からの誘いと気づくことなく、私達は日々を過ごしている。そしていつの間にか悪魔に心は占拠されて・・。寒くなる恐ろしい作品です。しかし私達はその現実を知らなくちゃいけ...

遠藤周作氏らしいミステリー作品。 「いつの間にか埃が部屋に溜まるように悪魔はひそかに、目だたずに人間の心に入る」 悪魔からの誘いと気づくことなく、私達は日々を過ごしている。そしていつの間にか悪魔に心は占拠されて・・。寒くなる恐ろしい作品です。しかし私達はその現実を知らなくちゃいけないのでしょう。

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2009/10/07

女医がどれが誰なのかよくわからんけどなかなかスリルある。芳賀の最後の言動はさすがに予測つかなかった。

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2009/10/04

どんな悪を犯しても痛みを覚えぬ白けた虚ろな心をもつ女、を描く。「動機の無い犯罪」が現れ始めた頃に書かれたものなんだろうと思う。作者自身がキリスト教徒である点が、上手く作用している。

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2009/10/04

「君が俗物のくせに俗物でないふりをしているからさ」このセリフがやけに心に残った。周作といったら『海と毒薬』が傑作かもしれないけれど個人的に好きなのは『死海のほとり』とこの作品です。

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2009/10/04

■説明 冒頭に神父さんが 「エクソシスト」を例にとって 悪魔は実在する と説く場面からこの物語は始まります。 主人公は美貌で愛らしい笑顔をもつ女医。  物語の中には なんとも殺伐とした事件が沢山でてきます。  ■感想 遠藤周作の本です。 ある意味感想が書きにくい本でした。 ...

■説明 冒頭に神父さんが 「エクソシスト」を例にとって 悪魔は実在する と説く場面からこの物語は始まります。 主人公は美貌で愛らしい笑顔をもつ女医。  物語の中には なんとも殺伐とした事件が沢山でてきます。  ■感想 遠藤周作の本です。 ある意味感想が書きにくい本でした。 遠藤周作さんがクリスチャンだということを知っていたので、気になって余計に私の中でさらっと読めない部分があったのかもしれません。  私はほぼ無宗教。でも、その人がどういう宗教を信じているかというのは強引な勧誘など迷惑がかからない限り気にしません。 最近起こる理解不能な事件。まったくそれと同じような動機で、いえ、動機はないと言ったほうがよいかもしれない。そんな事件がどんどんと起こります。 そうして、それがなにひとつ解決しない。現代の苛立ち 理解できない不安感。焦燥感。それが最後まで続くというような読後感です。  たとえば、最近の不快感を覚える事件とは結局はどういうものだろうかと自問すると 「自分勝手」というキーワードがありそうに思います。 相手も自分と同等の人間としてみることなくただ、「自分が不快だから」「自分がうまくいかないから」「自分がやりたかったから」という理由であり、そこにはそれ以上の説明がつかないものが多いです。   それが、世間の人たちには理解不能であり、行動が予測できない恐ろしさを感じさせます。 「友達が欲しかったから監禁した」「自分の人生がうまくいかないからできるだけ金持ちの子供を殺害した」「借金をばらされそうだったから殺した」 そこには自分しかありません。いずれも相手を人間として見ていないという共通点があります。自分だけを見つめ自分だけが大事で 相手を都合の良い存在として認めることがあっても人間として見ない。    この本の主人公の女医もまさにそういう人です。自分が罪悪感を感じてみたい。こういう悪いことをしたら少しは罪悪感を感じて空虚な気持ちがなくなるのではないか というただそういう理由で表に出ない悪事を巧妙に行います。 そうして、この小説には 勧善懲悪もなく、また宗教の目に見えた救いも現れません。発生する事件、女医の口にする言葉どれも どこかで聞いたことのあるようなものです。 クリスチャンである遠藤周作はこの本で何を言いたかったのだろう。 宗教の不在を言いたかったのだろうか。 読み終わったときに遠藤周作という人を考えてすっかりと腕組みをしてしまった本でした。

Posted byブクログ

2009/10/04

かなり吐き気をもよおしてしまう作品。それは誰にでも潜む心の悪が赤裸々に書かれてる。絶対読んだ方がいい!

Posted byブクログ