今ここに生きるこども 子どもと悪 の商品レビュー
子どもと悪、と大人を三角で結んでその関係を考えていく。 子どもの悪の裏に潜む事情や意図、想いをどれだけ汲み取れるか、そしてどれ程介入していくのか。悪というけれど、その先にあるものは時に創造性だったり、善だったりする。そういうふうに変えていくのは子どもの力なのだけど、大人の関わりが...
子どもと悪、と大人を三角で結んでその関係を考えていく。 子どもの悪の裏に潜む事情や意図、想いをどれだけ汲み取れるか、そしてどれ程介入していくのか。悪というけれど、その先にあるものは時に創造性だったり、善だったりする。そういうふうに変えていくのは子どもの力なのだけど、大人の関わりが必要になってくる場合もある。 自分の子ども時代と重ねて子どもの視点から思い当たることも、大人になって子どもと関わる今の視点から考えさせられることもたくさん。
Posted by
書かれていることについて、自分の経験を振り返っても、そうだよなぁと思う部分と、認めたくないけどたしかにそういう暗い部分があると認めざるを得ないこともあるなと思った。 悪と創造性の関係についてはすごく同意。
Posted by
子どもの気持ちに寄り添ってながら大人がスッと読める不思議な本だった。大人になりきれないまま子育てに追われた両親を思うと、不安と向き合い切れなかった苦しみも分かる気がしてくる。ほんとうの大人への道のりはなかなかに遠く、子育てもきっとその過程なんだろう。
Posted by
メモ、ー部分は雑感。 P51 悪の様相を考えると、そこに何らかの「関係の解体」が存在している P74 プロメテウス 盗みの話のルーツ 盗みによってなされることがよく示されている 火はあかり、闇のなかを照らす 人間の意識の象徴 個人が自分を個として何物にも従属しないと意識する...
メモ、ー部分は雑感。 P51 悪の様相を考えると、そこに何らかの「関係の解体」が存在している P74 プロメテウス 盗みの話のルーツ 盗みによってなされることがよく示されている 火はあかり、闇のなかを照らす 人間の意識の象徴 個人が自分を個として何物にも従属しないと意識すること、自立 しかしこのことは従属させたい側からすれば悪 ここで盗みという手段が生まれる ヨーロッパ文化における英雄、プロメテウス 一度はゼウスと敵対し火を盗みとる必要がある P103 ワイルドネス、暴力 による悲劇を生じさせないため、大いに関連する自分の身体について考える P105 身体と悪 汚いものが排出される身体だから~悪 に結び付けられる 清潔に保つコントロールを子どもには大切な仕事とされる P107 身体性を置き忘れた子 →アレルギー疾患などの増加? ーしかし、これは化学製品に常に暴露されるようになっていることも理由のひとつかもしれない P143 日本が西洋文化をとりいれたとき、「ウソは絶対に悪」は輸入したが、ジョークの技術をまったく輸入しなかった P146 秘密を持つ子は暗いと決めつける人もある 何でも話す子はよいこと確信している教師や親も多い しかしそんなに簡単ではない P182 日本では個性的な子供がいじめられやすいことになる。教師も日本人であるので、知らず知らずのうちに異質なものを憎む態度が子供たちに伝わり、子供たちのいじめを背後から無意識のうちに支持していることが生じる場合がある。 -ひと昔まえから相変わらず、教師がステレオタイプ的よいこを好む姿をみると、学校とはどのような機関であるか思い出させてくれる。一定のクオリティの品を出荷しようとする19世紀的な工業社会のattitudeで、本来の意味での師のものではないだろう。 P218 日本の親や教師は教えたり、指導したりすることにせっかち。子どもの中から自ら育ってくるものを待つことができない。子どもの心のなかから悪とみえる形をとって芽生えてきたものが、どのように変容するのかその経過を見る前にすぐにその芽をむしりとってしまう。大人たちの善意が強すぎる。
Posted by
悪の存在についてー… 私は幼い頃、悪い子だった。 先生に歯向かい、男の子を罵倒し、悪口をいいまくった。お金をちょこっと盗んだこともある。 そのきっかけは何だったのだろう。 たぶん、自分がした優しさに胸が苦しくなったから。 初めて誰かに好かれたから。 そんなことが、苦しくなったか...
悪の存在についてー… 私は幼い頃、悪い子だった。 先生に歯向かい、男の子を罵倒し、悪口をいいまくった。お金をちょこっと盗んだこともある。 そのきっかけは何だったのだろう。 たぶん、自分がした優しさに胸が苦しくなったから。 初めて誰かに好かれたから。 そんなことが、苦しくなったから。その経験の反動で悪を知った。不思議なきっかけ?そうともいいきれない。 子供の心は複雑だけど、なんだか真理をついている。 悪を肯定する、訳ではない。けれど、いいこちゃんでいるという悪い子。そろそろ疲れないかな?
Posted by
子どもの創造性と悪には密接なつながりがあるのではないか、というお話。 作家や学者などの子ども時代の話や、文芸作品に描かれた子どもの姿などを例に、「悪」とみなされる行動が子どもにとってどのような意味をもつかを論じている。
Posted by
大人として子供とどう向き合うかを考えるための本であると同時に、自分の子供時代を振り返るための本でもあると思う。読みながら、私自身の思春期の様々な葛藤が思い出され、またそれを黙って見守ってくれた両親の有難さを噛みしめた。やわらかな文章が胸に沁みる。
Posted by
すでに子育てを終え、しみじみ振り返る中でこの本を読みました。 以来、何度か読み返しています。 河合先生は、きっと多くの子どもや親御さんの相談を経験される中で、「悪」という問を立てられたのでしょう。 私たちが一般的に「悪」というモノに出会ったとき、その事象にどのように向き合うといい...
すでに子育てを終え、しみじみ振り返る中でこの本を読みました。 以来、何度か読み返しています。 河合先生は、きっと多くの子どもや親御さんの相談を経験される中で、「悪」という問を立てられたのでしょう。 私たちが一般的に「悪」というモノに出会ったとき、その事象にどのように向き合うといいのかを教えてくれる本です。 「子ども」の成長や自立の中で多角的に「悪」を捉え見ていくことの大事さと、成長のすき間に入り込んで来る「悪」を通して学ぶことの何と多いことか・・・。 私たち大人は「悪」を「悪」と捉える締め付けられた視点の他に、子どもの「悪」から多くを知り学べることを認識したいものです。
Posted by
「悪」とは、「やってはいけないこと」に等しいのか。 でも、一見「悪」に思えることでも、後々になって考えると必ずしもそうとは言い切れないことってたくさんある。 例えば、小さいころに昆虫を殺して遊ぶこと。 「悪」だと決めつけて、全て禁止してしまったら、「死ぬ」ということがどういうこ...
「悪」とは、「やってはいけないこと」に等しいのか。 でも、一見「悪」に思えることでも、後々になって考えると必ずしもそうとは言い切れないことってたくさんある。 例えば、小さいころに昆虫を殺して遊ぶこと。 「悪」だと決めつけて、全て禁止してしまったら、「死ぬ」ということがどういうことなのかを知る機会がなくなることにつながるかもしれない。 あと、「悪」の奥にあるもの。 それをすることで、子どもは何を訴えようとしているのか。 表面の「悪」を退治することだけに熱心になって、その奥の根本の問題を見過ごしてしまうことは、取り返しのつかない「悪」を招く結果になるかもしれない。 「悪」は奥が深い。 すべて悪に拒否反応を示すのではなく、悪いことは悪いこととしながらも、その意味をさぐり、時にはその必要性を認めることも考えなければいけないのかもしれない。
Posted by
命にやさしくなるためには、命を遊んでみることが必要だ。チャンバラ、虫殺し、人形ごっこ… 自分の心を混沌のまま丸ごと引き受けること。こどものこころを裁かないこと。悪も善も、ひとところにあるもののはず。
Posted by
- 1
- 2