空海の風景(上) の商品レビュー
有名な空海がどのようにして成長していったかをたどる。けっして歴史小説ではなくて、空海を中心にした随想のような、歴史解説書のような。歴史の資料からわかることをそのように書き、あとから想像するしかないことは、想像しているように書いている、という意味で決して小説ではない。どのような資...
有名な空海がどのようにして成長していったかをたどる。けっして歴史小説ではなくて、空海を中心にした随想のような、歴史解説書のような。歴史の資料からわかることをそのように書き、あとから想像するしかないことは、想像しているように書いている、という意味で決して小説ではない。どのような資料からそんなことが読み取れるのかも細かく書いた、非常にまじめな歴史書。上巻では空海が唐の長安を訪れるとこまでを描いているが、決して聖人君子のようなひとだったわけではなくて、自分を売り込んだりすることに非常にたけた、頭の良い人物であったことが伝わってくる。弘法大師のイメージがちょっと変わった。
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