色のない地図(下) の商品レビュー
パリ在住のカメラマンである主人公は出張先からパリに戻る列車のコンパートメントである東洋人女性と居合わせる。彼女は早々にコンパートメントを移ってしまい感じが悪かったが強く印象に残る。 しかし彼女は親友かつ幼馴染の想いびとであることがわかる。それから接点を持つようになり自分も惹かれて...
パリ在住のカメラマンである主人公は出張先からパリに戻る列車のコンパートメントである東洋人女性と居合わせる。彼女は早々にコンパートメントを移ってしまい感じが悪かったが強く印象に残る。 しかし彼女は親友かつ幼馴染の想いびとであることがわかる。それから接点を持つようになり自分も惹かれていくが、自分の想いは抑え耐え忍ぶようになる。 上巻は彼女の素性と親友との因縁が明らかになる。そしてその因縁から長江下りの旅の描写とその間の彼女の心の動きが描かれる。 下巻は伏線が回収されるようなどんでん返しが起こり、そして残り数ページで一気にエンディング、という感じ。 ハーフゆえの根無草感から与えられた愛情を受け取ってしまう一方、自身から求める愛情とも葛藤する彼女。しかしながら、会ったこともない一族というものに縛られ人生を拘束される境遇にも合い、根無草とは相反するものに翻弄される。 自分ではどうしようもないものに振り回され自分の軸を持てない彼女にどうしてこうも男性が寄ってくるのか… 作者は女性だが、男性作家のような印象を受けた。そして、内容は恋愛なのだが一気読みしてしまった。
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何も殺さなくても・・・というのが正直な感想。でもこの時代は、こういう結末こそが求められていたともいえるのかな?
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