世界の名著(62) の商品レビュー
中公の世界の名著シリーズの中でもかなりお得感が強い一冊。フッサールの代表的な論文と、彼に影響を与えたブレンターノの論文が同時に収録されている ブレンターノ『道徳的認識の源泉について』は指向性概念がフッサールに影響を与えた、くらいを理解できたらいいが、普通に単独で読んでも面白い...
中公の世界の名著シリーズの中でもかなりお得感が強い一冊。フッサールの代表的な論文と、彼に影響を与えたブレンターノの論文が同時に収録されている ブレンターノ『道徳的認識の源泉について』は指向性概念がフッサールに影響を与えた、くらいを理解できたらいいが、普通に単独で読んでも面白いかも。哲学的にいろいろ論じても不明瞭な善いこと、道徳という認識が、じゃあなんで哲学者じゃない人の行動から感じるなんてことがあるのか。それを人間の心の傾向に求める。改めて読まれても実はヒントになるのでは フッサールの厳密な学としての哲学は、他の哲学を批判しながらの現象学準備 デカルト的省察が一番フッサールのやろうとしたことがわかりやすいか。デカルトのすべてを疑うというやり方をさらに徹底させるんだが、そのやり方がすごい デカルトは我思う故に我ありと言ったが、フッサールから言わせれば、これだと我思うという意識の流れがあるのがわかるだけで、なぜそこから我というものを導き出せるかの分析が足りないと。デカルト批判として一番面白いもののひとつ。そこから意識作用の分析、どうやって自我が他我を認識して、共同主観が生まれるのかみたいな分析をしてる 面白いのは、他我との出会いをありとあらゆる学の根本条件にしてるっぽいことか ヨーロッパの学問の危機と先験的現象学がこの本だと一番分かりやすいか。ガリレオ以来の科学的世界観の問題と、カントとデカルトの継承者としてのフッサール、共同性や生活世界、身体と今にも続く現象学の重要テーマがあらかた出揃ってる 多分今は図書館にしかないかもしれないが、古本屋で見かけたらかなりお得
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ブレンターノ 「道徳的認識の源泉について」(抄訳) フッサール 「厳密な学としての哲学」 「デカルト的省察」 「ヨーロッパの学問の危機と先験的現象学」(抄訳) 解説「現象学の意義とその展開」
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