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リトル・トリー の商品レビュー

4.2

33件のお客様レビュー

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2010/09/24

VILLAGE VANGUARDで一番売れた本だと、社長の本『ヴィレッジ・ヴァンガードで休日を』に書いてあったので、興味を持って読んでみました。 タイトルから『おおきなおおきな木』のような絵本を勝手に想像してましいたが、描かれていたのはアラバマで自然と生きるチェロキー族の少年の暮...

VILLAGE VANGUARDで一番売れた本だと、社長の本『ヴィレッジ・ヴァンガードで休日を』に書いてあったので、興味を持って読んでみました。 タイトルから『おおきなおおきな木』のような絵本を勝手に想像してましいたが、描かれていたのはアラバマで自然と生きるチェロキー族の少年の暮らしぶりでした。 雄大なゆったりとした風を感じる本です。 リトル・トリーとは、主人公の名前。小さい時にはリトル・スプラウトと呼ばれていたそうです。 両親を亡くし、祖父母に育てられたリトル・トリー。 2人からいろいろな自然のおきてを学びながら、成長していきます。 おじいさんは、先住民とはいっても、スコットランドの地が半分入っているとのこと。 狩りのほかに、トウモロコシ100%のウイスキーを密造して生計を立てています。 シェイクスピアを図書館で借り、おばあさんに読んでもらうという文化的な面も。 100%チェロキー族のおばあさんが、あんな古語を読めるとは、教養ですね。 キリスト教についていけないという祖父は、主人公に「モーゼの恋人の少女はファラオの愛人だったので、彼はエジプト王に狙われた」と話します。 本当でしょうか。自分がそこまで聖書に詳しくないのでわかりませんが、驚くエピソードですね。 宗教に縛られなくても、彼らは独自の哲学を持っており、祖父の口を通して主人公に語られると、それが非常に高潔なものに思えます。 春から夏は動物の子育ての時期なので狩りをしないなど、きちんと自然と共存している彼らですが、白人の差別の根強さも、描かれています。 連邦政府が彼らを騙し、軍隊で占領した話などが、祖父母から聞かされた話として淡々と客観的に記されており、アメリカの黒歴史を忘れてはいけないと読んだものに思わせます。 祖母の手作りのモカシン靴、私も履きたくなりました。 一番緊張したシーンは、がらがら蛇に狙われた主人公を、祖父がかばって、片手を噛まれながらもう片手で蛇を絞め殺し、毒がまわって倒れる場面。 祖母の勇敢で迅速な処置で、命を取り留めます。 そんな心豊かな日々を送っていた彼らですが、白人の魔の手が忍び寄ります。 祖父母に彼を養育する権利がないとみなされ、リトル・トリーは山を下りて孤児院へと連れていかれるのです。 肉親がいるのに孤児院なんて、言語道断。 チェロキー族のやり方での結婚は、白人の法律では婚姻関係にあると認めず、リトル・トリーは私生児扱いされてしまうのです。 排他的な人種排斥のむごさが見えました。 そこで院長にいじめられ、必死に耐える主人公。 結局、祖父母の元に戻ります。 祖父母や飼っていた犬との死による別れをもって、物語は終わります。 48歳で作家となった彼ですが、美しい自然に守られ、いたわりあって過ごした子供時代を、みずみずしい筆致で描き記しており、読んだ後、都会に生きる心の閉塞感がなくなった気がしました。 いい本です。

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2010/06/11

アメリカ東部インディアン部族の血を引く少年、リトル・トリーのお話。 シンプルで美しいインディアンのおきてや、インディアンの視点でみた当時の白人やクリスチャンについて知ることができます。読み終えて、小さいけれど新しい価値観が自分の中に生まれた気がします。 その後、作者の背景が知りた...

アメリカ東部インディアン部族の血を引く少年、リトル・トリーのお話。 シンプルで美しいインディアンのおきてや、インディアンの視点でみた当時の白人やクリスチャンについて知ることができます。読み終えて、小さいけれど新しい価値観が自分の中に生まれた気がします。 その後、作者の背景が知りたくて色々調べていたら、白人至上主義団体(KKK)の幹部だったという説など、非常に謎の多い人物だったことが分かりました・・・。複雑な気持ちになり、感動が半減してしまいました。

Posted byブクログ

2010/06/10

近年になって、アメリカ合衆国側からのみの独善的な歴史観は払拭されたように思うが、つい20~30年ほど前までの日本におけるネイティブ・アメリカンのイメージは、西部劇で弓矢で開拓者を殺しに来る野蛮人でしかなかったように思う。 開拓者の砦を襲いに来る映画「アパッチ砦」そのものだ... ...

近年になって、アメリカ合衆国側からのみの独善的な歴史観は払拭されたように思うが、つい20~30年ほど前までの日本におけるネイティブ・アメリカンのイメージは、西部劇で弓矢で開拓者を殺しに来る野蛮人でしかなかったように思う。 開拓者の砦を襲いに来る映画「アパッチ砦」そのものだ... 【開催案内や作品のあらすじ等はこちら↓】 http://www.prosecute.jp/keikan/026.htm 【読後の感想や読書会当日の様子などはこちら↓】 http://prosecute.way-nifty.com/blog/2007/05/26_b12f.html

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2010/01/30

読んだのはかなり前なのですが、なんだか素直になれる本でした。 ・・・読んだ直後だけでなく、いつもおじいさんの言ったことを意識していれば、結構乗り越えられたこともあったかもしれないんですが、残念ながら(略)。 小さい子には無理かもしれませんが、本好きの子なら、児童書として十分読める...

読んだのはかなり前なのですが、なんだか素直になれる本でした。 ・・・読んだ直後だけでなく、いつもおじいさんの言ったことを意識していれば、結構乗り越えられたこともあったかもしれないんですが、残念ながら(略)。 小さい子には無理かもしれませんが、本好きの子なら、児童書として十分読めると思います。

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2010/01/11

-「わしの家族はな、みんな大きな川のずーっと向こうにおる。みんなといっしょにいられるようにするには、たったひとつしか方法がないんじゃ。毎晩決まった時間に、ろうそくをともあす。遠くの家族もおんなじ時間にろうそくをともす。こうすると、みんなの思いはひとつじゃから、どんなに離れてたって...

-「わしの家族はな、みんな大きな川のずーっと向こうにおる。みんなといっしょにいられるようにするには、たったひとつしか方法がないんじゃ。毎晩決まった時間に、ろうそくをともあす。遠くの家族もおんなじ時間にろうそくをともす。こうすると、みんなの思いはひとつじゃから、どんなに離れてたっていっしょにいられんじゃ」- 矢野顕子のPiano Nightlyで、「愛について」という曲をカバーしており、その歌詞が「遠く離れた場所で愛について考えることで家族は結ばれている」というようなことがあったけど。なんかこういうの素敵だと思う。だまされたと思って一度読んでみてほしい。

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2009/10/17

山は冬の夕日を浴びている。僕らは木漏れ日を踏んで降りて行く。谷間の小屋へと続く細道を。山七面鳥の通り道を。チェロキーはみんな知っている。今こうしてここにいる、これこそ天国なのだと。山の頂きに目を向けて、朝の誕生をみてごらん。木々の間から聴こえる風の歌に耳を澄まし、母なる大地から湧...

山は冬の夕日を浴びている。僕らは木漏れ日を踏んで降りて行く。谷間の小屋へと続く細道を。山七面鳥の通り道を。チェロキーはみんな知っている。今こうしてここにいる、これこそ天国なのだと。山の頂きに目を向けて、朝の誕生をみてごらん。木々の間から聴こえる風の歌に耳を澄まし、母なる大地から湧き出す生命を感じてごらん。ほら、チェロキーの掟がわかるだろう。夜明けが来る度に僕らは知るだろう。死の中から生は生まれ、生の中から死は生まれる。母なる大地の智恵に学べばチェロキーの掟がわかるだろう、チェロキーの掟に触れるだろう。

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2009/10/04

世の中良いことばかりじゃないけど、家族としっかり繋がっていれば生きることは苦じゃないはず・・・そういうメッセージを感じた気がします。読んだ後、気持ちがゆるやかになる。

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2009/10/07

幼い頃、親に渡されて読んだ。 決して児童向けではなかったと思うけれど、引き込まれた。 自然によって生きているネイティブアメリカンの暮らし。 とぎすまれた価値観。 芯を理解した自信はないけれど、あの頃の自分に影響を与えたと思う。

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2009/10/04

発売当初に読んでものすごく感動し、次々とネイティブアメリカンの本を買いました。 私にとっては入門書だったようです。 ぜひ子どもたちに読んでもらいたい。

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2010/07/19

表紙のインディアンの男の子につられて買った、と購入時には書いた気がする。 彼こそがリトル・トリー。素晴らしい男の子だった。 そもそもリトル・トリーというのは、作者フォレスト・カーターが祖父から授かったインディアン・ネームらしい。「小さな木」という意味だけれど、作中の真っ直ぐ強く育...

表紙のインディアンの男の子につられて買った、と購入時には書いた気がする。 彼こそがリトル・トリー。素晴らしい男の子だった。 そもそもリトル・トリーというのは、作者フォレスト・カーターが祖父から授かったインディアン・ネームらしい。「小さな木」という意味だけれど、作中の真っ直ぐ強く育つリトル・トリーを見ていると、ほんとうにぴったりだなぁとしみじみ思う。 リトル・トリーは四歳で両親を亡くし、五歳でインディアンの祖父母のもとへ引き取られた。 祖父にはインディアンとしての、人としての強さや生き方を教えられ、 祖母には優しさやぬくもりをたっぷり教えられ、時にはシェイクスピアを読み聞かせてもらったり、 動物たちや母なる自然にはとても大きなものを与えられた。 祖父母はリトル・トリーを愛していた。リトル・トリーは幸せだった。 しかし、幸せに暮らしていた三人に、白人社会は時に冷たく当たる。 巻末あたりの「リトル・トリー讃歌」、そこに書いてあった「圧倒的な沈黙」というのが私の感想にもぴったりだった。 いつもどおりこうして感想を残そうと思っても、何を言葉にしていいのかわからない。伝えたい人の手をひいて、森の中に佇んだほうがずっと魅力を伝えられるような気がした。 自分を包むすべてのものが愛しく感じる。 ありきたりだけど、そんな感じ。

Posted byブクログ