セミ神さまのお告げ の商品レビュー

宇梶静江【著】

2023/03/11

「虫や鳥はアイヌの人々にとって、予知能力を持ち、人々にそれを知らせてくれる身近な存在です。この絵本は、歌で津波の危険を告げる、六代の人の世を生きたおばあさんが主人公。その警告を信じて高所へ移った村人は助かり、笑って本気にしなかった村人は命を落とします。屋根にのぼって助かった人々と共に海に流されたおばあさんは、海神の怒りを買い、地獄まで落ち、蝉に生まれ変わるという壮大な物語です。理屈では掴めない大自然の摂理と生命の不思議が、糸と布によってエネルギー溢れる絵により物語られます。」

2019/12/28

アイヌの人々の物語。昔、津波を経験したお婆さんが、セミに生まれ変わって。。。アイヌの物語は本当に深い。

2013/08/22

6分（後書きなし）
歌の部分が出てくるが、節をつけなくても朗々と（流れるように？）読むことで十分に雰囲気を伝えることができると思う

2011/03/20

宇梶静江氏はアイヌの人だ。アイヌをひた隠しに生きてきて、これではダメだと1973年に東京アイヌウタリ協会が創立会長を務め、アイヌの為に支援を行っている。そしてアイヌを知るにはと先ずアイヌ刺繍をと、60歳過ぎて札幌の職業訓練校で初歩から習う。今は古布絵展作家としてご活躍されています。
その古布絵で綴られたアイヌの神話を絵本にした、この作品。美しいアイヌの文様にダイナミックな絵画刺繍。色使いが独創的で子供の目にも楽しいものだ。お話の内容は、６世代の人の生を生きたおばあさんが津波が来ると民に教えたが…如何に？アイヌのお話はカムイが語る様式になっていて、ヒト目線でない所が面白いです。神も反省したり、人間のような親近感があります。多くは人の心根に反省を促すような内容で、大人も子供も為になる絵本だと思います。
そして、この東北地震の津波があった頃合いになんとタイムリーな事よ…と、購入しました。
ちなみに俳優・宇梶剛士氏の母親でもあります。