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よろずや平四郎活人剣(上) の商品レビュー

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4件のお客様レビュー

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 連作短編シリーズで…

 連作短編シリーズである。一話完結。上巻に12編を収める。主人公神名平四郎は旗本の子弟であるが、妾腹の子であり、堅苦しい実家を飛び出し、裏店に居をかまえ、よろずもめごと仲裁の看板を掲げる。時代背景は、江戸時代、水野忠邦が進めた天保の改革にも陰りが見え始め、200年続いた太平の世が...

 連作短編シリーズである。一話完結。上巻に12編を収める。主人公神名平四郎は旗本の子弟であるが、妾腹の子であり、堅苦しい実家を飛び出し、裏店に居をかまえ、よろずもめごと仲裁の看板を掲げる。時代背景は、江戸時代、水野忠邦が進めた天保の改革にも陰りが見え始め、200年続いた太平の世が終焉を迎え、時代が大きく変わろうとする時である。この時代背景にまつわる政治的な暗闘。平四郎の早苗への淡い慕情、そして、「よろずもめごと仲裁」のなかの数々の事件。読者をまったく飽きさせずに、一気に読ませてしまう手腕に感服。意地っ張り

文庫OFF

藤沢周平の主人公たち…

藤沢周平の主人公たちは、池波正太郎に較べても、貧乏で生活に追われる者が多い。この主人公、平四郎もご多分にもれないけれど、よくある用心棒もの(これはこれで面白いが...)ではなく、食べていくために長屋に看板を掲げて、「よろずや」としたところが斬新だ。侍のくせに、長屋の夫婦者のけんか...

藤沢周平の主人公たちは、池波正太郎に較べても、貧乏で生活に追われる者が多い。この主人公、平四郎もご多分にもれないけれど、よくある用心棒もの(これはこれで面白いが...)ではなく、食べていくために長屋に看板を掲げて、「よろずや」としたところが斬新だ。侍のくせに、長屋の夫婦者のけんかを仲裁したり、人探しを頼まれたり、江戸の庶民の生活がいきいきと描かれている。江戸の時代はみんなその日暮らし。城勤めの安定感は無いけれど、周りの人間が助け合って生きている。あなたも江戸

文庫OFF

2022/06/27

久しぶりに再読。やはり良い。藤沢周平さんの小説を読むと、「日本に生まれて良かったな」という気分になります。 物語が「生活に困った主人公がよろず事相談の看板を掲げて様々な事件を解決して行く」という骨格だけなら、現代のニューヨークを舞台にしてもいいはずです。しかし、武家物は江戸日本で...

久しぶりに再読。やはり良い。藤沢周平さんの小説を読むと、「日本に生まれて良かったな」という気分になります。 物語が「生活に困った主人公がよろず事相談の看板を掲げて様々な事件を解決して行く」という骨格だけなら、現代のニューヨークを舞台にしてもいいはずです。しかし、武家物は江戸日本でなくてはできない舞台設定。ストーリー展開の合間合間に織り込まれる季節の移ろいの描写等も、超一級品です。 「時代小説を読みたい」と思った時に、いつでも帰れる家みたいな、そんな小説です。

Posted byブクログ

2015/09/01

連作短編 上巻 旗本の妾腹の子の平四郎が、よろずもめごと仲裁業をこなしつつ繰り広げる人情話。 平四郎のキャラがなんとも可愛げがあって、素直に応援したくなります。 北見・明石とのトリオも良い感じ。

Posted byブクログ