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近代ヨーロッパの情熱と苦悩 の商品レビュー

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2009/10/04

中央公論新社の新版『世界の歴史』シリーズの22巻、「近代ヨーロッパの情熱と苦悩」の回です。おもに19世紀のヨーロッパをフランス、ドイツ、イタリア、ロシア、イギリスを中心に各国別に扱いながら、フランス革命及びナポレオン戦争による混乱後の激動をわかりやすく説明しています。19世紀とい...

中央公論新社の新版『世界の歴史』シリーズの22巻、「近代ヨーロッパの情熱と苦悩」の回です。おもに19世紀のヨーロッパをフランス、ドイツ、イタリア、ロシア、イギリスを中心に各国別に扱いながら、フランス革命及びナポレオン戦争による混乱後の激動をわかりやすく説明しています。19世紀という時代は各国が入り乱れまた政治も複雑になり大変分かりづらいところがありますが、この本では各国の通史的な体裁をとっているため、その国の通時的な理解には大変役に立ちます。ただ、この時代に対して大変ごちゃごちゃしているというイメージをもつ原因の一つである外交関係の多様化と複雑化には各国通史の体裁を執る本誌はやや不利な記載方法ではなかろうかと思います。ただ、15,6世紀の大航海時代を経て「世界の中のヨーロッパ」「世界を席巻するヨーロッパ」「世界の中心たるヨーロッパ」となった19世紀の全体像を理解するにはそのヨーロッパ各国の国内情勢も知らないといけない、そのためには大変有意な一冊ではないかと思います。

Posted byブクログ