サイゴン・タンゴ・カフェ の商品レビュー
図書館。いま中山可穂の本にハマっていて。 タンゴで繋ぐ短編。中には想像するだに胸が苦しくなるようなお話もあったが、最後のお話で報われる、というか、穏やかな気持ちになれた。 本当に描写がお上手。行ったことも見たこともないのに、容易に脳内に映像が浮かぶ。
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日本、アルゼンチン、ベトナムを舞台にしたタンゴに魅せられた女たちの愛と哀を描く5編の物語。 中山さんにしてはさらっと読めるな~と4編を読み終わり、表題作に突入するや、女性作家と若き女性編集者の濃密な魂のやりとりに絡み取られる。 バンドネオンの奏でるタンゴのメロディーが頭の中で鳴り...
日本、アルゼンチン、ベトナムを舞台にしたタンゴに魅せられた女たちの愛と哀を描く5編の物語。 中山さんにしてはさらっと読めるな~と4編を読み終わり、表題作に突入するや、女性作家と若き女性編集者の濃密な魂のやりとりに絡み取られる。 バンドネオンの奏でるタンゴのメロディーが頭の中で鳴り響く・・・卒塔婆小町を彷彿とさせる作家と編集者との命を削るようなやり取りは目が離せず、息を詰めるように読んだ。 5編目にして中山ワールド全開、ビアンの世界にどっぷり。 それにしても、タンゴの魅力を十分に感じられる作品で、久しぶりにバンドネオンの音色を聞きたくなった。
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スタイリッシュな恋愛小説という感じ。タンゴの熱気が伝わってくるような。 装丁が、クリムトを思い起こさせる美しさに引かれて古本で購入。
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アルゼンチンといえば「EVITA」ぐらいしか知らないし、 ピアソラの名前とヨー・ヨー・マの「リベルタンゴ」くらいは知っていたがタンゴの世界は全然わからない。 というか、歌舞音曲の類が全くといっていいほど苦手な私なのに、それでも「フーガと神秘」に出てるくる名ダンサー...
アルゼンチンといえば「EVITA」ぐらいしか知らないし、 ピアソラの名前とヨー・ヨー・マの「リベルタンゴ」くらいは知っていたがタンゴの世界は全然わからない。 というか、歌舞音曲の類が全くといっていいほど苦手な私なのに、それでも「フーガと神秘」に出てるくる名ダンサーに手を委ね踊りたくなってしまうのだから、この方の文章力って半端ない。 やっぱ中山可穂はすごいなぁ。 表題作がまた良いのです~ 恋はスコールに似ているかも知れない。 何の前触れもなく突然降り出して、すべてを機能停止にさせてしまう。 そして雨上がりの街は何事もなかったかのように、しかし今まで見たことのないような鮮やかな緑を滴らせて通常に生活に戻るのだ。
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巧さと過剰のあいだ、ではあるけれど。 異国ものは、2割減で読むことにしている、でもこれは差し引いても大丈夫。 「ドブレAの悲しみ」(←タイトル◎)で猫本行き確定です。
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哀しさや迷いを情熱がもやしてゆく 愛するがゆえの苦しみのなかでさえ あいするひとを離すことはできない 中山可穂の女たちは 強く脆く優しくて しなやかで上等な獣のよう
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どの短編も読み出しはそうでもないのに、引き込まれる。好きだなぁって思える、情熱的で正直で切ない短編集。バンドネオン生で演奏を見て聞いてみたいな−。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
おもしろかった。 切なかった。 キレイだったな。 海外の描写が素敵。暑さを感じた。 国内の描写も印象的。情景が目に浮かぶ。 タンゴ楽しそうだと思った。 かなりな設定がおもしろかったのかな。 南Q太でも思ったけど レズビアンの方のお話を読むとせつなくなる。
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配属先のアルゼンチンで上司と踊るためにタンゴを習ったのに 横領の罪を着せられてしまう「現実との三分間」 バンドネオン奏者と結婚することになった娘から 父を憎むわけを聞き自分の過去も思い出す「フーガと神秘」 拾ってくれたおじいさんが死んでしまい 無口な殺し屋に飼われるようになった「...
配属先のアルゼンチンで上司と踊るためにタンゴを習ったのに 横領の罪を着せられてしまう「現実との三分間」 バンドネオン奏者と結婚することになった娘から 父を憎むわけを聞き自分の過去も思い出す「フーガと神秘」 拾ってくれたおじいさんが死んでしまい 無口な殺し屋に飼われるようになった「ドブレAの悲しみ」 夫が浮気相手に渡した手切れ金を使って 浮気相手と一緒にベトナムへ旅立つ「バンドネオンを弾く女」 旅先のベトナムで失踪した女性作家が運営するカフェに 偶然迷い込み彼女と編集者との物語を聞く「サイゴン・タンゴ・カフェ」 装画:Adriana Czernin ブックデザイン:鈴木成一デザイン室 タンゴにふさわしい情熱的な恋愛の短編集。 どの話も異国情緒と悲しみとタンゴが濃密に絡まって出来ている。 とても濃いので読むのに体力が必要かもしれない。 特に表題作である「サイゴン・タンゴ・カフェ」は 自分を切り売りするような作家の宿命に対する苦悩が強い。 個人的には「ドブレAの悲しみ」が好き。 登場人物すべてがやさしくて。
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表紙がきれいだったから借りたら、そういう内容の本でびっくりした。とても。おんなのひとどうし、というのは何がたのしいのかきもちいいのかわたしにはさっぱりわからないのだけれど、きれいな文体なので読めてしまう。すごい。タンゴ、タンゴ、黒猫のタンゴ!
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