尻啖え孫市 の商品レビュー
ー どうしたものか、本書の感想を。 男は迷っている。 (感染るのだ。文体が) 一つには、これも司馬遼太郎という、この国民的作家の力であろう。 (たかが、ブクログに載せる感想ごときでここまで感染るとは) そう思わざるを得ない。 読み進めるごとにその思いは益々強靭なものとなっていき、...
ー どうしたものか、本書の感想を。 男は迷っている。 (感染るのだ。文体が) 一つには、これも司馬遼太郎という、この国民的作家の力であろう。 (たかが、ブクログに載せる感想ごときでここまで感染るとは) そう思わざるを得ない。 読み進めるごとにその思いは益々強靭なものとなっていき、ついに、ここに至って文体は結晶化している… …という事で「尻啖え孫市」 司馬遼太郎作品で、私が読んでいなかった数少ない小説の一つでした。NHK大河ドラマ「国盗り物語」(1973)で大々的に取り込まれていたので、読んだような気になっていただけでした。 紀州雑賀の鉄砲衆を率いて石山本願寺の合戦に参加し、織田信長を散々に撃退した雑賀孫市の一代記です。 しかし、著者が描きたかったのは、この時代を象徴する『一向宗』という教団を側面から見てとることだったように思います。ひいては、"日本が宗教国家にならなかったのは何故か"という著者自身への回答なのではないかと。 そんな感じがしました。 物語は痛快無比。小説として、"創作の面白さ"に溢れています。読んでいて楽しい。楽しいのが一番ですよね。
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雑賀党の雑賀孫市が石山本願寺側について,織田信長を散々に悩ました話。 孫市は領土的野心はなく,ただ自由に生きたいと感じていた。信長側の秀吉とも懇意にしており,敵方となっても双方相手を思いやることを忘れない。 孫市は戦国時代の小領主。地侍の典型的な型で,小人数での戦闘に長けており,...
雑賀党の雑賀孫市が石山本願寺側について,織田信長を散々に悩ました話。 孫市は領土的野心はなく,ただ自由に生きたいと感じていた。信長側の秀吉とも懇意にしており,敵方となっても双方相手を思いやることを忘れない。 孫市は戦国時代の小領主。地侍の典型的な型で,小人数での戦闘に長けており,それに鉄砲を用いて信長を散々悩まし,退散させた。 孫市の生き方は常に風がびゅーと吹いて通り過ぎるような感じが常にし,本小説において,その死においても風のごとく描写されている。
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なんとも凄まじい男振り。 そういうと、堂々たる武者を創造してしまうけれど、孫市はちょっと違う。 誰よりも男らしく、体格、銃術もずば抜けているが、それ以上に生き様が凄い。 自由であり、信念があり、旗から見れば馬鹿げたような生き方さえも変えることはない。 いやはや、いやはや。それ以外...
なんとも凄まじい男振り。 そういうと、堂々たる武者を創造してしまうけれど、孫市はちょっと違う。 誰よりも男らしく、体格、銃術もずば抜けているが、それ以上に生き様が凄い。 自由であり、信念があり、旗から見れば馬鹿げたような生き方さえも変えることはない。 いやはや、いやはや。それ以外に言葉が出てこないくらい、凄い男である。
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超面白かったです。女の為に、友の為に、そこまでするか!ってところもありますが、それこそ孫市の愛すべき点だと思います♪
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