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外来森田療法 の商品レビュー

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2011/11/27

1 私のクリニックを訪れる人たち(不安神経症 対人恐怖症 ほか):2 神経症と森田療法(神経症とは 神経症の歴史 ほか) 3 入院森田療法から外来森田療法へ(森田療法のわかりにくさとは わかりやすい森田療法―外来標準型森田療法を創る ほか) 4 外来標準型森田療法の実際(三種類の...

1 私のクリニックを訪れる人たち(不安神経症 対人恐怖症 ほか):2 神経症と森田療法(神経症とは 神経症の歴史 ほか) 3 入院森田療法から外来森田療法へ(森田療法のわかりにくさとは わかりやすい森田療法―外来標準型森田療法を創る ほか) 4 外来標準型森田療法の実際(三種類の外来森田療法 神経症の症状はこうして形成される ほか) 5 神経症外来の現場から(Aさんの不安神経症―乗物がダメで出張できない Bさんの対人恐怖症―人とうまく話せなくて ほか) 6 森田療法再考(ミノムシと神経症 治るということ―森田療法の治療による変化 ほか)  神経症の中でも不安障害、パニック障害、強迫性障害に焦点を当てて外来で行う森田療法について説明している。森田療法というとよく分からずとっつきにくい印象があったが、外来という限られた場で行う際のエッセンスがわかりやすく書かれていた。  注目に値するのは、10回という限られた面接回数で実施される点と何よりもまず主訴である症状に焦点を当て、丁寧にそこに寄り添おうとする態度である。こういった症状を目にするとついその背景にある不安や家族史などを聞きたくなるが、神経症の人たちの中にはそういった不安に直面化できない人たちがいる。  これを無視してそういったことを語らせようとすればするほど抵抗に合うのは当然と言えば当然か。 こういう人たちは面接が滞りがちで中断することも多かったが、この本に書かれている「どういった場面で困ったのか」と「どういった対処法をしたのか」を記録してきてもらうことで主訴から離れず、また互いに緊張感を高めない形で面接に入ることができそうだ。 加えて本人の主体的な関わりが治療には必要とのメッセージにもなる。  この方法が使えるかどうかには、何より見立てが大事とのことだし、ヒステリー系のClには向いていないが、神経症水準の面接導入期、その戦術的手法としては有用なものになりそうだ。

Posted byブクログ