幕末新撰組 の商品レビュー
かの有名な新選組を土…
かの有名な新選組を土方歳三・近藤勇・沖田総司という有名な人物ではなく、彼らとは無名時代から同じ釜の飯を食ってきた永倉新八と言う人物からとらえた作品。剣術はすごいものの、どこか親しみを感じさせる人物なので、読んでいて新選組に上手くのめり込めます。
文庫OFF
新撰組副長助勤 永倉新八 松前藩士の一人息子でありながらほぼ江戸屋敷で育った江戸っ子気質の永倉は、幕末から明治に至る世の中をサラリと格好良く生き抜く。 勤王、佐幕が渦を巻く中ブレる事なく自分を生きていく。 作品タイトルは幕末新撰組だが、小粋で洒落た生き方をした男の人生を憧れに近い...
新撰組副長助勤 永倉新八 松前藩士の一人息子でありながらほぼ江戸屋敷で育った江戸っ子気質の永倉は、幕末から明治に至る世の中をサラリと格好良く生き抜く。 勤王、佐幕が渦を巻く中ブレる事なく自分を生きていく。 作品タイトルは幕末新撰組だが、小粋で洒落た生き方をした男の人生を憧れに近い視線で描いてあるように思う。
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永倉新八を主人公にした新撰組の物語。 これまでに読了した、土方歳三や斉藤一、吉村貫一郎、山岡鉄舟を主題にしたモノと思いを重ねながら読み進めると、尚のこと面白く読み終えた。 いつもながら幕末の動乱期は、皆がそれぞれの正義を掲げてチカラ強く生きているバイタリティに圧倒される。 正義と悪は表裏一体であり、勝者が歴史を築き上げる結果を鵜呑みにしていては、狭い視野でしか物事を理解できない事を痛感する。 龍馬や徳川慶喜の事も触れられており、1冊で非常に楽しめる新撰組モノであった。
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(2004.04.21読了)(2004.01.31購入) 司馬遼太郎は、1962年6月から産経新聞に「竜馬がゆく」を書き始め、11月から週刊文春に「燃えよ剣」を書き始めた(1964年3月で終了)ということなので、この2作品は、並行して執筆されていたということになる。 池波さんの「...
(2004.04.21読了)(2004.01.31購入) 司馬遼太郎は、1962年6月から産経新聞に「竜馬がゆく」を書き始め、11月から週刊文春に「燃えよ剣」を書き始めた(1964年3月で終了)ということなので、この2作品は、並行して執筆されていたということになる。 池波さんの「幕末新選組」は、雑誌「地上」に1963年1月号から1964年3月号まで連載され、1964年4月に文芸春秋新社から刊行されたということなので、司馬さんの2作品と同時期に書かれたことになる。 司馬さんの「燃えよ剣」「新選組血風録」に比べて血なまぐささがない。非常にさばさばしている。池波さんの特徴なのかどうかは、池波さんの作品を読んだのはこの作品が初めてなのでわからない。 この作品の主人公は、新選組隊士の永倉新八である。幕末を生き延び、1915年1月5日77歳でなくなった。 北海道・松前藩の江戸屋敷に仕える永倉勘次の一人息子として育ち小さい時から剣術が好きで、腕を磨いてきたが父の「定府取次役」を継ぐのがいやで、十九歳の時屋敷から逃げ出してしまったという。その後も剣術修業を続け、近藤勇の道場へ他流試合に行ったのが23歳のときで、まず藤堂平助と対戦し、三本のうち2本取った。 物語は、藤堂平助と永倉新八を軸に進められる。「新八は、初対面の時から、どうも藤堂平助と気が合わなかったようだ。」これ以来試衛館に出入りするようになる。 浪士隊に加わり京都に行くことになり、深川の岡場所へ試衛館の仲間と出かけて、なじみの豊浦という女と別れを惜しむつもりが、女は藤堂平助を気に入り取られてしまう。 京都では、芹沢鴨に気に入られ、荒れる芹沢鴨のなだめ役を演ずる。新八は、芹沢鴨の死んだ弟に似てるという。 鴨の荒れようはすさまじいので、酒をしたたか飲ませておいて部屋で寝ているところを襲い土方歳三たちが斬殺するのだが、いつもは鴨たちと一緒の部屋に寝ている新八は、近藤勇の配慮によって斬殺をまぬかれる。 京都では、島原の廓に遊びに言ったようだが、そこでは子常という芸妓が気に入ったのだが子常は藤堂平助を好いていた。 池田屋騒動の際、藤堂平助が重傷を追い殺されかけているところを新八は助ける。藤堂はこれに報いるために、子常を説得して藤堂をあきらめさせ、新八に乗り換えさせる。新八は子常と新居を持ち、非番の時は、子常の下で過ごす。女の子供ができたが、新選組とともに江戸へ戻ったため生き別れになってしまった。新八は、明治23年に京都を尋ね大きくなった娘に合ったということです。江戸へ戻った新選組は、甲府の城を官軍より先に取ろうとしたがもたもたしているうちに官軍に先を越されてしまい、近藤勇たちと新八たちは袂を分かち、会津へ行って戦おうとしたがたどり着いたときは、既に城は官軍に囲まれやむなく江戸に戻り1年ほど潜伏生活を送った。松前藩の江戸家老の計らいで、北海道に渡り、松前藩お抱え医師の杉村松柏の養子になり、名を杉村義衛とあらためた。その後は剣道を教えて暮らした。 小さい時から剣術が好きで、好きな剣術で一生を送れたのだから、幸せだったのかなと思える。 池波さんには、新選組を描いた他の作品としては「近藤勇白書」がある。未読。 著者 池波 正太郎 1923年 東京生まれ 1955年 東京都職員を退職 1960年 「錯乱」により直木賞受賞 1977年 「鬼平犯科帳」他により吉川英治文学賞受賞 1988年 菊池寛賞受賞 1990年5月3日 逝去 ☆関連図書(既読) 「新選組血風録」司馬遼太郎著、角川文庫、1969.08.30 「燃えよ剣」司馬遼太郎著、文芸春秋、1998.09.20 「新選組意外史」八切止夫著、作品社、2002.09.30 (内容紹介) amazon 剣道の快感に没入した青春の血をそのまま新選組に投じた永倉新八の一生。女には弱いが、剣をとっては近藤勇以上と噂された彼の壮快な人生をさわやかに描いた長篇
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初めて読んだ歴史小説。 幕末の動乱の中でも、地位や名誉より剣さえ振れればよいという、飾らないさっぱりとした自分を持っている永倉新八にとても好感がもてた。
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剣道の快感に没入した青春の血をそのまま新選組に投じた永倉新八の一生。女には弱いが、剣をとっては近藤勇以上と噂された彼の壮快な人生をさわやかに描いた長篇。 1997年6月22日購入 1997年6月23日初読
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新撰組の中では5番目くらいに有名な(多分)永倉新八を主人公に据えた珍しい作品。 自分の中の永倉のイメージはこの作品によって形成されてるし、もしかしたら一般的なイメージもそうなのかも。
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