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モダニズムとデザイン戦略 の商品レビュー

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2011/07/15

著者の『デザインの国イギリス~』の本が感動するくらいの良書だったので 興味の範囲外でしたが思わず手にとってしまいました。 イギリスの逓信省(郵便局と通信省を合わせた感じかな)の広告戦略についての論文を単行本化したものです。 巻末に参考文献の豊富な記載から分かるように、 この著...

著者の『デザインの国イギリス~』の本が感動するくらいの良書だったので 興味の範囲外でしたが思わず手にとってしまいました。 イギリスの逓信省(郵便局と通信省を合わせた感じかな)の広告戦略についての論文を単行本化したものです。 巻末に参考文献の豊富な記載から分かるように、 この著者は第一次文献・二次文献とたくさんの資料をもとにしていますので 論旨に厚みがあるとともに、良くまとまっているので門外漢にも理解しやすい構成になっています。 ひとつ、なるほどと思ったのは 逓信省は数ある政府省庁の中でも、直接収入が期待できる数少ない部門であるということです。 確かに(日本で考えると)財務省は予算の分配、国土交通省はインフラの整備などで省庁自体に強力な収益モデルがあるわけではありません。 この本の舞台となる19世紀のイギリスでは、 産業革命に端を発した交通インフラの整備により、人や物の移動がかつてないほど活発になりました。 そして逓信省の郵便事業では切手販売や郵送業務があり、通信事業では電話の通信業務が時代の風を見事に捕らえ、ビックビジネスになりつつありました。 そんな時代背景の中、さらに普及促進をを図るべくどのような広告制作を逓信省がおこなったのかというのが主題です。 黎明期のデザイナーのポスター作品も素敵で心躍るものがあります。 次回作も期待しています

Posted byブクログ