フィッシュ の商品レビュー

L.S.マシューズ【作】,三辺律子【訳】

2020/04/27

舞台は干ばつと内戦に苦しむ開発途上国のある村、そこで、一匹の魚を見つけ、紛争の激化により、村を出て、国境を越える旅に出る物語です。はじめ読んでいくと、そういった印象を受けず、少女と家族の冒険ファンタジーのように思いました。読み進めていくに従って、魚は何を表しているのかなとか、実は戦争や平和の話なのかなとか、いや砂漠での冒険の話かなと、読み手によって、さまざまな思いとリンクさせられていくように思います。幼いこどもの目に、紛争というのは、このように映っているのかなと考えさせられました。

2009/10/04

もしそばにいなかったら、もう自分のことを愛していないと思う？ううん、もちろんそんなことはない。その愛は、目に見えるか？ううん、見えない。だが、まちがいなく存在する。希望も同じだ。　　このガイドとタイガーのやりとりが一番好き。　フィッシュの色や大きさが、話が進むにつれて微妙に変わっていっているのが、この物語を魅力的にしていると思った。