もめん随筆 の商品レビュー
かなり読み応えのある随筆集。晩年「森田サロン」と呼ばれた活気ある場所を作った随筆家・森田たまのデビュー作。女性が衣食住に興味が尽きないのは明治の昔から平成の現在まで変わりがない。交流があった芥川の死についてや内田百間のことがさらりと出てくるのがすごい。竹久夢二の港屋の半襟は派手す...
かなり読み応えのある随筆集。晩年「森田サロン」と呼ばれた活気ある場所を作った随筆家・森田たまのデビュー作。女性が衣食住に興味が尽きないのは明治の昔から平成の現在まで変わりがない。交流があった芥川の死についてや内田百間のことがさらりと出てくるのがすごい。竹久夢二の港屋の半襟は派手すぎて並の女性には似合わないなど女心がくすぐられた。解説に「幸田文が明治のお姑さんなら森田たまはちょっと洒落た明治の伯母さん」とあったが絶妙の表現である。かつて私達のご先祖が着物をきて過ごしていたのはたった100年も前のことなのだ。
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「もめん随筆」は、1936年(昭和11年)に出版されたデビュー作で、70年以上の時を経て、文庫化されたもの、「今昔」も1951年(昭和26年)に刊行された書籍の復刻版です。 大正から昭和初期、着物が一番華やかだった時代の優雅なエピソードを期待していたのですが、"たまワ...
「もめん随筆」は、1936年(昭和11年)に出版されたデビュー作で、70年以上の時を経て、文庫化されたもの、「今昔」も1951年(昭和26年)に刊行された書籍の復刻版です。 大正から昭和初期、着物が一番華やかだった時代の優雅なエピソードを期待していたのですが、"たまワールド"は違っていました。 続きはこちら⇒http://wanowa.jugem.jp/?eid=681#sequel
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当時読んでも面白かったろうけれど今読むと更に興味深い随筆だと思う。 明治大正、昭和初期の生活、交流、話しことば。 ところどころ思い出の風景の美しさにうっとりさせられる。 昔も今も同じようなことを世間は問題にしているんだなあと思うところと、へえこの頃はこんなのが普通だったとかと驚く...
当時読んでも面白かったろうけれど今読むと更に興味深い随筆だと思う。 明治大正、昭和初期の生活、交流、話しことば。 ところどころ思い出の風景の美しさにうっとりさせられる。 昔も今も同じようなことを世間は問題にしているんだなあと思うところと、へえこの頃はこんなのが普通だったとかと驚くところ、バランスよく両方あって、好物を時間をかけて食べてるみたいな幸福感を読んでる間中感じられた。 女中、書生、髪結い、芸者…今はまるで馴染みがないこんなひとたちにもだんだん愛着が湧いてきて、こんなひとたちが確かに生きていたんだなあ、と知らないのに懐かしい気分になる。 特に「芥川さんのこと」に登場する芥川龍之介の活き活きした描写のされ方…教科書に載っていた白黒写真のいかにも昔の文豪というイメージでしかなかった人物が、声まで聞こえてきそうに生々しく動いていて、不気味なような嬉しいような、異様な興奮を覚えながら読み進め、「七月廿四日」のオチには本当にぞっとした。 森田たまの随筆、これからどんどん読んでいきたい。
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旧かな遣いだけど、意外と読みやすい。著者の目から見た大阪と東京の女性の違い(容貌や女友達との付き合い方や男性の好みなど)を読み、しみじみ楽しんだのだった。今は地域差はそれほど無いのかもしれないけれど、こういう志向の人って普通にいるよなあ、と思って、なんだか可笑しかったのでした。
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旧仮名づかいって日本語本来の呼吸が分かるし、読みなれるとこんなにいいもんはないですよ by藤谷治: http://www.ficciones.jp/shimokitazawa_nikki.html
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