シャーロック・ホウムズの冒険 の商品レビュー
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
「赤毛連盟」 新聞に載せられた募集要項は、理想的な赤毛の紳士を探すためのものではなく、特定の人物をおびき出すため、その人に合わせて作られたものだった。目的と手段が巧みに組み替えられたトリックを軸にした展開が秀逸。 「口のまがった男」 自分を被害者であり加害者に仕立て上げることで、存在を隠してしまう。 「青い紅玉」 落し物のガチョウから出てきた一つの宝石をもとに、知恵の輪を解くように窃盗事件の存在を暴く。ホウムズの観察眼が光る一作。 「まだらのひも」 蛇を用いた殺人事件。相談者の証言が、読者にトリックを見抜かれにくくする隠れ蓑として作用する。 「技師の親指」 貨幣偽造犯罪に巻き込まれた、水力技師の話。親指を失う重傷を負った技師がワトスンやホウムズに経緯を語る重く、落ち着いた雰囲気と、殺されそうになった技師が必死で逃げ出す回想描写の疾走感。両場面の対比が効いたテンポの良い作品。 「名馬シルヴァー・ブレイズ」 競馬界の利害関係を舞台にした一作。王道ミステリーにおける、意外性の重要さが表れている。
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KiKi がシャーロック・ホウムズに初めて出会ったのは小学校中学年の頃でした。 ホウムズの物語でいわゆる「探偵もの」「推理もの」に目覚め、「怪盗ルパン」(断じてルパン三世ではない!)で嵌り、ポーの作品でさらにのめり込み、江戸川乱歩の作品を読み漁ったことを思い出します。 当時の...
KiKi がシャーロック・ホウムズに初めて出会ったのは小学校中学年の頃でした。 ホウムズの物語でいわゆる「探偵もの」「推理もの」に目覚め、「怪盗ルパン」(断じてルパン三世ではない!)で嵌り、ポーの作品でさらにのめり込み、江戸川乱歩の作品を読み漁ったことを思い出します。 当時の KiKi は仲の良かった♂の友達と図書館に収蔵されているすべての「探偵もの」「推理もの」「怪奇もの」の読み比べ(読み競争とでも言うべきか)に夢中でした。 ところが・・・・・です。 あんなに一時期は燃えたはずのこれらの物語。 今となっては「タイトルは知っているし、読んだ記憶もあるんだけど、ハテ、どんな話だっけ??」というのが思い出せない・・・・・ ^^; ま、このテのお話は読みながら自分の物にしながら考える・・・・というよりは、ひたすら与えられる情報で楽しむというスタンスで読んでいた証左なのかもしれませんが・・・・・。 今回の読書でも辛うじて「まだらのひも」だけは「ああ、そうそう、こんな話だったっけ・・・・・」と再読した感があったんだけど、それ以外の物語はまるで初読のように新鮮でした。 と、同時に何となく「物足りなさ」みたいなものも感じてしまいました。 昔はものすご~くハラハラ・ドキドキしたように記憶しているんだけど(物語の筋は覚えていないけれど、読中の興奮した感覚だけは残っていたような、そんな感じ)、「あれ、この程度だったっけ???」というある種の肩透かしを食らったような気分でした。 これって、それだけこういう類の物語に対する感受性が鈍ってしまったことによるのか、はたまた、子供時代にはこの程度の刺激でも十分すぎるほどに刺激的だったのが、今ではもっと刺激の強いものが巷に溢れているからなのか、定かではないのですが・・・・・ ^^; (全文はブログにて)
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