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川と生きる の商品レビュー

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2016/11/19

とてもよかった。 かつてからの舟運や川港、治水、川筋の変遷、用水路建設や架橋や発電をめぐる人々のドラマ、輪中ならではの内水排除の争い、魚類や鮎についての文化などなど、およそ木曽三川を語るに必要そうな内容を網羅している。 それでいて、一つ一つ記述が詳細で、具体的で臨場感ある。木曽三...

とてもよかった。 かつてからの舟運や川港、治水、川筋の変遷、用水路建設や架橋や発電をめぐる人々のドラマ、輪中ならではの内水排除の争い、魚類や鮎についての文化などなど、およそ木曽三川を語るに必要そうな内容を網羅している。 それでいて、一つ一つ記述が詳細で、具体的で臨場感ある。木曽三川に携わる者にとっては必読。 例えば内水対策として、犀川事件について詳しく述べられているのはもちろんのこと、 水門川の流末(揖斐川合流点)あたりの治水の経緯は、犀川並みに地域間対立を孕んでいるようで、初めてしった。水門川のことを検討するのであれば、かつてどんな争いがあったのか学ぶのは必須と思った。 また長良川発電をめぐる名古屋電灯社などの争い(八百津との関係など)のことも面白い。 その他、根尾川山口の取水をめぐる争いや、橋のこと(美濃橋、長良橋、揖斐川鉄道橋梁)、大榑川の成因(完全なる人工河川というわけではなさそう、ということ)等。 他の書物ではなかなか容易にうかがい知れないような内容が多く、糸がほぐれてよくわかってくるような、さすがの一冊。大変ためになった。

Posted byブクログ