傷口にはウオッカ の商品レビュー
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大道珠貴「傷口にはウォッカ」、2008.2発行、文庫。テンポがよく読みやすかったです。彦野永遠子(とわこ)の40歳までの性に関する追憶か。13歳で初めて性交、その後は自慰。14歳で盲腸を切る。21歳の時、痔の手術を。34歳、44歳の童貞男性と1年半付き合い結婚寸前まで。40歳の今、恋人と4回目のティーバッグのような状態。肛門性交希望の彼に、肛門とは一生の付き合いなので大事にしたい。肛門でなければ何でも。すると、ウォッカを性器に。割れてても傷やないから「滲みない」よ。
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乾いた文体と乾いた思想。 教室の隅で唯我独尊、相当に捻じれた考えを持った少女がそのまま中年女性になったような主人公。 痛みを好む。子供以上に子供的な振る舞い。ずっと続く弟へのプラトニックな愛。付き合う男はどこか精神的に不健康で、しばしば現れる乾いた性へ言及。 乾いた表面のひび割れ...
乾いた文体と乾いた思想。 教室の隅で唯我独尊、相当に捻じれた考えを持った少女がそのまま中年女性になったような主人公。 痛みを好む。子供以上に子供的な振る舞い。ずっと続く弟へのプラトニックな愛。付き合う男はどこか精神的に不健康で、しばしば現れる乾いた性へ言及。 乾いた表面のひび割れの中に、何かが隠れて居るような気もするけど読み解けず。 生身の大道さんってどんな女性なのか考えてしまいます。 読者に読んで貰う為というより、自分の生き方を見つめるために書いている作家さんのような気がします。
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【本の内容】 40歳の永遠子は、もう晩年期じゃないかと思いつつ、生への執着はなまじっかじゃない。 恋人の寿一郎を手放せばあとがないけれど、恋愛が終わるとわかっていればそれでいい。 しかし恋愛は思いがけずしてしまうもの―。 自らの体で感じる痛みを確かめながら生きる永遠子の愛のかたち...
【本の内容】 40歳の永遠子は、もう晩年期じゃないかと思いつつ、生への執着はなまじっかじゃない。 恋人の寿一郎を手放せばあとがないけれど、恋愛が終わるとわかっていればそれでいい。 しかし恋愛は思いがけずしてしまうもの―。 自らの体で感じる痛みを確かめながら生きる永遠子の愛のかたち。 ドゥマゴ文学賞受賞作。 [ 目次 ] [ POP ] 40歳のフリーター永遠子の恋愛遍歴を綴った物語。 主人公の家族も含めて、この物語に登場する人物たちはみな普通で世間並みの良識をもった人たちである。 そのような中で主人公のグダグダぶりがなかなかよい。 この安心感は、両親、姉弟たちとの良好な関係からくるのだろう。 このような関係は本質的に言葉を必要としないところがあり、そのため主人公は必要な場面でうまく言葉にできず、つきあっている男性と親密になれずに終わる。 一人の女性のこころの傷口を描いた半生記。 [ おすすめ度 ] ☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度 ☆☆☆☆☆☆☆ 文章 ☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー ☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性 ☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性 ☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度 共感度(空振り三振・一部・参った!) 読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ) [ 関連図書 ] [ 参考となる書評 ]
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「肛門様だね、まさに。働くときは役割をちゃんと果たして終わったらまたきゅっと寡黙になる。括約筋のあの皺はデリケートで伸縮自在。」いつもと変わらぬ大道節は健在。相変わらずストーリーには感情的高揚もなくただ漫然とした時間が流れてゆくだけ。この退嬰的でなげやりな感じが何とも良い。あくせく毎日蟻みたいに生きてる自分には、一服の清涼剤のようにも。「人間は衝突もするけど、おしくらまんじゅうみたいにぶつかれば体もぽかぽか温かくなる。手ごたえが感じられる」もイイ。何だか家族の存在に対する感謝がこみ上げてくる。何度も噛み締めてた。
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独身40女の自堕落人生記。ストーリー性はない。ゆるい空気感とちょっと笑える主人公の言動が良い。読む人を選ぶ作品。独身中年女性向け。
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