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ガラス絵の宮沢賢治(9) の商品レビュー

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2009/11/21

それから、そうそう、苔の野原の夕陽の中で、 わたくしはこのはなしをすきとおった秋の風から聞いたのです。 そのとき西のぎらぎらのちぢれた雲のあいだから、 夕陽は赤くななめに苔の野原に注ぎ、すすきはみんな 白い火のようにゆれて光りました。 わたくしが疲れてそこに睡りますと、...

それから、そうそう、苔の野原の夕陽の中で、 わたくしはこのはなしをすきとおった秋の風から聞いたのです。 そのとき西のぎらぎらのちぢれた雲のあいだから、 夕陽は赤くななめに苔の野原に注ぎ、すすきはみんな 白い火のようにゆれて光りました。 わたくしが疲れてそこに睡りますと、ざあざあ吹いていた風が、 だんだん人のことばにきこえ、やがてそれは、北上の山の方や、 野原に行われていた鹿踊りの、ほんとうの精神を語りました。 そのほんとうの精神とは・・・

Posted byブクログ