愛を乞うひと の商品レビュー
最初に読んだのは中学か高校の時だけど、自分に子供が出来、改めて読んでみると虐待をしていた母親の心境が知りたくなる。 あえて描いていないのだろうけど。 ラストの主人公の心の持っていき様は どうも腑に落ちなかった。
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紀伊國屋さんは、とんでもない本を復刊させてしまった。 なんといっても描写力がすごい。疲れた女性(主人公)が見る世界は、ひどく色あせている。この渇きや疲れが濃淡を分けているのだ。そのおかげで色合いが戻るシーン、例えば娘との会話などは、とても温かく感じられる。そして、母との交わりの...
紀伊國屋さんは、とんでもない本を復刊させてしまった。 なんといっても描写力がすごい。疲れた女性(主人公)が見る世界は、ひどく色あせている。この渇きや疲れが濃淡を分けているのだ。そのおかげで色合いが戻るシーン、例えば娘との会話などは、とても温かく感じられる。そして、母との交わりのシーンはーーあまりにも「鮮やか」すぎる。 小説としての出来は、完璧とは言えない。だが、筆(そして紀伊國屋さん)の力を改めて思い知らされた、心に残る一冊だった。
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(1999.08.21読了)(1998.10.03購入) 内容紹介 amazon 十歳の時、孤児院から母に引き取られてから情容赦ない母の仕打ちが始まった…。母への限りない憎しみと愛への渇望。その狭間で何年も彷徨い続けた照恵はいま、身を賭して激動の旅路へ--。(北上次郎)
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読む前は「キチ○イ母の虐待物語」という先入観を持っており、敬遠していた作品だった。しかし、自分のルーツを辿る展開が進むにつれ、自然と涙が出てきた。血のつながりの強さ、重さを感じた。
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照恵は娘の深草と支えあって幸せに暮らしている。 しかし、照恵は過酷な少女時代をすごしていた。中盤はずっと辛い少女時代の描写で、読んでいてなんて酷い母親だろうと辛くなる。 後半は冒頭の部分の続きで台湾人の父親の遺骨探し。親子の絆や血というものを考えさせられる。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
前半は入り込めるが、後半がやや冗長な感じがした。母親に対する感情は憎悪が主体だけど、それだけでかたづけられないものもあり、わかりやすい。仕方ないのかもしれないけど、父親をちょっと美化しすぎてる気がした。赤く大きすぎる夕焼けに自分も赤く染まるのではないかとおびえて泣いたときに父親が彼女を安心させてくれる場面がうらやましかった。
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虐待、そして血のつながりについて考えさせられました。 主人公の父のふるさと台湾にも行ってみたくなった。
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虐待の描写が生々しく、読むのがつらかった。 どんなひどい扱いを受けていても、子供は親の愛情を求めてしまう。
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この本を読むのは二度目。小学生の頃親用と子供用の学級文庫があって、私は親用にまわってきたこの本をついでに読んだのだった。当時は虐待の場面が鮮烈に記憶に残ったけれど全体の量からするとたいしてたくさん描写があるわけじゃない。怖かったなあ。 主人公は高校生の娘を持つ母親。市役所にて父...
この本を読むのは二度目。小学生の頃親用と子供用の学級文庫があって、私は親用にまわってきたこの本をついでに読んだのだった。当時は虐待の場面が鮮烈に記憶に残ったけれど全体の量からするとたいしてたくさん描写があるわけじゃない。怖かったなあ。 主人公は高校生の娘を持つ母親。市役所にて父親の戸籍謄本を取り寄せたいと訪ねる冒頭から始まる。 主人公は幼少期より高校生になるまで放蕩な母親に虐待を受け続けており、悲愴に満ちた青春期を送っていた。その時代を生き抜けたのは結核で死んだ台湾人の父の加護があったからだと思うのだった。そして主人公は娘の助力も得て父親のお骨探しを始める。台湾にすら飛び、どうにかまた気が弱く優しかった父親に会いたいと願う。 娘はそれが母親の愛を探す旅にも見えたと語る。 ラスト、歳老いた母親の介護をする白昼夢を見る主人公。おむつを変えながら母親の尻を叩く主人公…。END ラストが…。どういうことだ。
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