1,800円以上の注文で送料無料

怨霊と縄文 の商品レビュー

3

1件のお客様レビュー

  1. 5つ

    0

  2. 4つ

    0

  3. 3つ

    1

  4. 2つ

    0

  5. 1つ

    0

レビューを投稿

2021/12/17

記紀神話、聖徳太子、柿本人麻呂という、著者の日本古代史研究における三つの主要テーマに関する本です。 それぞれのテーマについては、『神々の流竄』(集英社文庫)、『隠された十字架』(新潮文庫)、『水底の歌』上下巻(新潮文庫)にまとめられていますが、本書は語り下ろしということもあって...

記紀神話、聖徳太子、柿本人麻呂という、著者の日本古代史研究における三つの主要テーマに関する本です。 それぞれのテーマについては、『神々の流竄』(集英社文庫)、『隠された十字架』(新潮文庫)、『水底の歌』上下巻(新潮文庫)にまとめられていますが、本書は語り下ろしということもあって、それぞれのテーマにおける著者の主張がよりわかりやすく説明されています。 また最終章の「未来の饗宴 さまよえる縄文」では、その後の著者が研究を進めていくことになった、縄文とアイヌについての関心が率直に語られています。日本語とアイヌ語は無関係であるとし、両者の語彙の類似を日本語からアイヌ語への流入と考えた金田一京助の研究を批判して、怨霊と鎮魂をめぐる古代日本人の心性のルーツをアイヌと縄文の文化のなかにさぐることができるのではないかという見通しが表明されています。

Posted byブクログ