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ひとり歩きの金剛山 の商品レビュー

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2013/11/12

金剛山について書いたエッセー集。登山者の多い山ですが、登山解説書でない本となるとこの本くらいしかない。 1991年刊行、ということで、登ってきている人の振る舞いを記述した部分は変わってきているものの、30年経った今も金剛山で行われていることは基本的に変わっていないことに驚かされ...

金剛山について書いたエッセー集。登山者の多い山ですが、登山解説書でない本となるとこの本くらいしかない。 1991年刊行、ということで、登ってきている人の振る舞いを記述した部分は変わってきているものの、30年経った今も金剛山で行われていることは基本的に変わっていないことに驚かされる。「客が減った」と言っている当時よりも、「山ガールブームで人が増えた」と言っている今の方が客が減っていることくらいしか変わりがないんじゃないか、と。 登山していると登ることに必死で「登っているときの大変さ」と「頂上に着いたときの爽快さ」のみを書いている山の本が数多とありますが、この本はそれとは一線を画す。山頂・山麓の宗教・歴史施設もその評価が時代とともにどう変化してきたかを含めて書いてくれるし、山に登る人が軽視しがちな周辺の観光・宿泊・運輸施設についても客観的な描写をする。 金剛山をある程度、広範な目線で知ることのできる数少ない一冊で、こういう越えられない一冊があるが故に今の金剛山をまとめる本が出ないんだろうな、とも思う。 「大日岳から初日の出が拝める」という情報は個人的に初耳。知らなかっただけなのか、はたまた木が伸びたりして見えなくなったのか…。一度そういう時間を狙って登ってみないとな、と思わされた一冊でした。

Posted byブクログ