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ぼく自身のためのジャズ の商品レビュー

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2020/07/10

 1951年に栃木から上京して音楽活動を始めて、今年で66年になる今やジャズ界のレジェンドとなる著者が、1970年の時に出版した本だ。  ジャズとの出会いから、上京してからの出来事、ボストンにあるバークりー音楽院へ留学してからの話、日本に帰国してからの話などが載っ...

 1951年に栃木から上京して音楽活動を始めて、今年で66年になる今やジャズ界のレジェンドとなる著者が、1970年の時に出版した本だ。  ジャズとの出会いから、上京してからの出来事、ボストンにあるバークりー音楽院へ留学してからの話、日本に帰国してからの話などが載っている。  アメリカで一番影響を受けたのは、ボサ・ノヴァやビートルズの曲やポップスなどを好み演奏していたゲイリー・マクファーランドとガボール・サボというミュージシャンだと編者の岩波洋三は述べている。音楽の幅を広げるのによかったそうだ。のちにブラジルやアフリカの音楽を取り入れているので大いに関係していると言える。  意外だったのが、戦後間もない頃、町のダンスホールで、演奏していると踊れなくなるので、あいつを首にしてくれとよく言われたとある。今では信じられない話だ。  もう一つ、驚いたのがクラッシックに転向すれば、NHKシンフォニーの研究員にしてくれるという話が合ったことだ。ジャズだけでは食べていけないので真剣に悩んだそうだが、ジャズから離れるのが嫌だったとある。ちなみに研究員になると月給7千円くらいと言われたそうだ。  印象に残ったのは、最後の方に、ジャズをやるのに日本的である必要はない。「現代では、世の中が狭くなってきているし、大げさにいえば、宇宙的見地で考えなければならないところへきている」と述べていることだ。1970年時点でこう思っているところがすごい。  著者は、今月の30日から来月の3日まで、南青山にあるBlue Note Tokyoでライブを行う。毎年いろいろな取り組みをしていて聴衆を魅了している。 http://www.bluenote.co.jp/jp/artists/sadao-watanabe/ http://www.sadao.com/

Posted byブクログ