永遠のフィレーナ(1) の商品レビュー
アニメ脚本家・首藤剛志の長編ファンタジー小説。1985年刊。90年代以降にOVA化。SFC版でゲーム化も。 作者は、『戦国魔神ゴーショーグン』『魔法のプリンセス ミンキーモモ』などで有名な脚本家とのこと。たまたま『BIRTH』というOVAのノベライズ作品の著者として気になってい...
アニメ脚本家・首藤剛志の長編ファンタジー小説。1985年刊。90年代以降にOVA化。SFC版でゲーム化も。 作者は、『戦国魔神ゴーショーグン』『魔法のプリンセス ミンキーモモ』などで有名な脚本家とのこと。たまたま『BIRTH』というOVAのノベライズ作品の著者として気になっていて、スーパーファミコンのRPGのタイトル『永遠のフィレーナ』も聞いたことがあったので(未プレイ)、原作小説を手に取ってみた次第。実はネットで見つけたOVA版を見たことがある。 男装女性剣士の苦悩、みたいな感じの設定。カルタゴ、スパルタクス、ジャンヌ・ダルク、その辺の歴史ものから着想を得た世界観は中々に魅力がある。中世ファンタジーを基調としているものの、電磁機器などの科学力が現代以上に発達していて、それが意外にもアンマッチに見えないように書かれているのが面白い。ざっと上げてみると、コンピュータ、フィルムカメラ、タイプライター、ルームランナー、懐中電灯、マイク、ラジオ、電話、腕時計、ワープロ、ビデオディスク、などなど。こんなものが出てくる中世ファンタジーです(笑)。 基本シリアスに進む物語ではあるが、フィレーナと相棒リラの会話には80年代半ばごろの若者言葉っぽい感じが見られる。このあたり、本格ファンタジーでありつつも、ラノベのはしりでもあるということなのかもしれない。そういった意味で、奴隷の身分だが実は王族で……みたいな王道をゆく展開ながら、80年代にしか生まれ得なかったであろう面白さが感じられるのが特徴だといえる。過酷な運命に見舞われる終盤は目が離せず、一気に読ませる筆力は素晴らしい。シリーズ全9巻、長いけれどこれは完走できそうだ。 え?帝国機密情報にオンラインでハッキング? どんだけハイテクやねん!(笑)。
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