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臨床心理学(43 Vol.8 No.1) の商品レビュー

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2021/01/12

河合隼雄さんは、臨床心理学者として後世に偉大な功績を残した人物であるが、おそらく、どんな道に進んだとしても大成する天才であった。 それがわかる内容になっている。 一流の心理学者の追悼文集なので、同じような内容が重複する。なので、識者が誰しも思い出として記述したい河合さんの行動がわ...

河合隼雄さんは、臨床心理学者として後世に偉大な功績を残した人物であるが、おそらく、どんな道に進んだとしても大成する天才であった。 それがわかる内容になっている。 一流の心理学者の追悼文集なので、同じような内容が重複する。なので、識者が誰しも思い出として記述したい河合さんの行動がわかり、勉強になる。 河合さんが講演中に突然声を詰まらせ涙を流してしまった話などは、数人が記述していて、よほど印象深い体験だったことが推察できる。 河合さんがスイスから日本に戻った当時はロジャーズの「来談者中心療法」が盛んであって、ユングって何?という時代背景だったことなど。 河合さんのプライベートに関する情報は、「心理療法家の誕生」 (大塚信一)に次ぐ質だと思う。 季刊の学術書なので、河合さんの話は本の半分ぐらい、他のページは違う内容になっているが、河合さんのいろんなエピソードが拾い読みできる点で、私のような本ででしか河合さんを知らない市井の河合ファンには、より親近感がわく記事が多い。

Posted byブクログ