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聖徳太子(1) の商品レビュー

3.9

11件のお客様レビュー

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2023/03/27

20年以上前の本を再読。 物語は聡明で奔放な厩戸皇子が物部合戦に従軍した少年の時代から始まる。 当時の大王(天皇)とそれを取り巻く大臣・大連らの豪族らの勢力争いの中で、蘇我氏の頂点に立つ馬子との関係を強く意識しながら成長する厩戸。 馬子の娘である刀自古郎女との婚姻など世俗的な一...

20年以上前の本を再読。 物語は聡明で奔放な厩戸皇子が物部合戦に従軍した少年の時代から始まる。 当時の大王(天皇)とそれを取り巻く大臣・大連らの豪族らの勢力争いの中で、蘇我氏の頂点に立つ馬子との関係を強く意識しながら成長する厩戸。 馬子の娘である刀自古郎女との婚姻など世俗的な一面が興味深い。 ストーリーがゆっくりゆっくり進むおかげで人間関係がよく頭に入る。

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2022/12/31

物部との戦いから始まる厩戸の王子の物語。後世聖人として崇められる人はきっとこんな人だったんたろうな。 

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2022/11/06

厩戸の王子がじつに人間らしく生き生きと書かれている。1巻では15歳から17歳まで。蘇我馬子の権力が増大してゆく中、大王の威厳は失墜してゆく。だが馬子の政治家としての魅力に厩戸王子は惹きつけられる。 農民の娘に一目惚れしたり、母の再婚に悩んだりと、聖徳太子の少年時代がありふれた一人...

厩戸の王子がじつに人間らしく生き生きと書かれている。1巻では15歳から17歳まで。蘇我馬子の権力が増大してゆく中、大王の威厳は失墜してゆく。だが馬子の政治家としての魅力に厩戸王子は惹きつけられる。 農民の娘に一目惚れしたり、母の再婚に悩んだりと、聖徳太子の少年時代がありふれた一人の少年の姿として描かれながらも、その才覚を徐々に発揮してゆく… 人間・厩戸王子の今後に目が離せない。

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2021/09/13

「聖徳太子(1)」黒岩重吾著、文春文庫、1990.04.10 406p ¥520 C0193 (2021.09.12読了)(2001.12.07購入)(1994.04.25/5刷) 副題「日と影の王子」 【目次】 物部合戦 夜明けの前 春雷 ☆関連図書(既読) 「日出処の天子...

「聖徳太子(1)」黒岩重吾著、文春文庫、1990.04.10 406p ¥520 C0193 (2021.09.12読了)(2001.12.07購入)(1994.04.25/5刷) 副題「日と影の王子」 【目次】 物部合戦 夜明けの前 春雷 ☆関連図書(既読) 「日出処の天子(1)」山岸涼子著、白泉社、1980.08.25 「日出処の天子(2)」山岸涼子著、白泉社、1980.12.25 「日出処の天子(3)」山岸涼子著、白泉社、1981.04.25 「日出処の天子(4)」山岸涼子著、白泉社、1981.11.25 「日出処の天子(5)」山岸涼子著、白泉社、1982.04.25 「日出処の天子(6)」山岸涼子著、白泉社、1982.09.25 「日出処の天子(7)」山岸涼子著、白泉社、1983.03.25 「日出処の天子(8)」山岸涼子著、白泉社、1983.08.24 「日出処の天子(9)」山岸涼子著、白泉社、1984.02.23 「日出処の天子(10)」山岸涼子著、白泉社、1984.07.24 「日出処の天子(11)」山岸涼子著、白泉社、1984.12.25 「聖徳太子(1)」池田理代子著、創隆社、1991.11.08 「聖徳太子(2)」池田理代子著、創隆社、1992.02.20 「聖徳太子(3)」池田理代子著、創隆社、1992.06.15 「聖徳太子(4)」池田理代子著、創隆社、1993.03.31 「聖徳太子(5)」池田理代子著、創隆社、1993.07.24 「聖徳太子(6)」池田理代子著、創隆社、1993.10.29 「聖徳太子(7)」池田理代子著、創隆社、1994.11.10 (アマゾンより) 性に憧れ、政争を忌みながらも、着々と理想国家建設に励む聖徳太子。その赤裸の実像を豊かな知識と雄渾なスケールで描いた話題作

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2021/03/30

聖徳太子は聖人としか知識がなかったので、子どもの頃の人間らしさと感情豊かで皇子らしくない、そして皇子らしい考え方と頭の回転の良さに聖徳太子の人間像に引き込まれ時間を忘れて読みふける。

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2014/09/05

登場人物の名前が漢字ばかりで読む速度がグンと落ちました^^; 後に聖徳太子と呼ばれる厩戸皇子。まだ1巻で17歳の若者(当時は立派な成人かもしれませんが…)。これから彼がどのように馬子とわたりあっていくのか楽しみです。

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2014/02/06
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※このレビューにはネタバレを含みます

初・黒岩重吾。 名前だけは知っていたけど、古代日本・飛鳥時代を舞台に歴史小説を描く第一人者。 この分野は、文献も少ないため、考古学的・民俗学的知識がはずせない。 そういった意味では、彼の幅広い知識には感服です。 これからますます読み進めたくなった。 篠崎紘一氏の「悪行の聖者 聖徳太子」と併読していたため、内容が重複してしまうが、内容的には前者と同じく、聖徳太子も結局は人の子で、最初から聖人ではない、という趣旨で始まる。 この時代はとにかく、名前が読みづらいので、常にルビを振ってくれているこっちの小説のほうが、読みやすい感じがあった(篠崎氏のほうは、一度しか振らないので、あとあとどうやって読むのかわからなくなる)。 馬子を畏怖していたこと、炊屋(推古天皇)と間人は仲がよろしくないこと、竹田皇子と厩戸も仲がよくないこと、このあたりは、山岸涼子の「日出処の天子」や篠崎氏の「悪行の聖者」ともだいたい同じ。感受性が鋭く、繊細だったというところも、一緒。 ・とにかく秦河勝との主従関係・親友関係が強い ・刀自古とは最初は仲睦まじい感じ ・泊瀬部(崇峻)と馬子の軋轢についての経緯がよくわかる ・物部守屋との争いで蘇我が天下をとっていくところの経緯も詳しい(最初の章はこれではじまる) ・父・用明天皇(橘豊日大王)を溺愛していた。ここは「悪行の聖者」と一緒。 ・母・穴穂部間人皇女と、甥にあたる田目皇子との再婚について、毛嫌いするところで一巻は終わる。 ・狩りや戦の臨場感がすごい。 ・地理やその時代の背景などについても、黒岩氏自ら途中で解説をいれていくので、わかりやすい ざっと第一巻の感想でした。 ふー、二巻目が楽しみ♪

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2012/03/22
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

性に憧れ、政争を忌みながらも、着々と理想国家建設に励む聖徳太子。その赤裸の実像を豊かな知識と雄渾なスケールで描いた話題作

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2011/09/28

「一個の人間」である、厩戸王子・後の聖徳太子を描いた長編小説です。 聖徳太子=問答無用の神童・生まれながらの天才・人間離れした能力を持っているような印象がどこかで刷り込まれていますが、この小説の中の彼は、喜怒哀楽を素直に顕すし、冗談も言うし、恋もするし、悩むし、わがままも言うし...

「一個の人間」である、厩戸王子・後の聖徳太子を描いた長編小説です。 聖徳太子=問答無用の神童・生まれながらの天才・人間離れした能力を持っているような印象がどこかで刷り込まれていますが、この小説の中の彼は、喜怒哀楽を素直に顕すし、冗談も言うし、恋もするし、悩むし、わがままも言うし、失敗して間違いも犯します。 器が広く聡明な事には変わりは無いですが、ちょっと人より優れている、と言う程度。 確実に人間として生まれ、人間として時代の波に揉まれ、悩み、彼を慕う有能な人々に助けられながら、己も大器を成す様子は説得力がありました。 厩戸を助ける舎人や豪族の長たちも魅力的な人物が多く、やりとりが楽しかったです。 少年時代の厩戸が舎人の秦河勝に、たびたびキワどい恋愛相談をする様子が意外でしたが、そう言った年齢相応で人間味ある描写が逆に良かったですね。 当時の日本と、中国や朝鮮半島との関係もとてもわかりやすく解説されていて大変勉強になりました。

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2009/10/07

600年ごろ。蘇我稲目の娘の小姉君と欽明大王の娘である穴穂部間人(あなほべのはしひと)皇后と,これまた稲目の娘の堅塩姫(きたしひめ)と欽明大王との子の用明大王の長子として生まれた厩戸皇子と蘇我馬子の話。 二人とも仏教を倭国に広めようとしているが,馬子は仏教を大陸文化の代表である飾...

600年ごろ。蘇我稲目の娘の小姉君と欽明大王の娘である穴穂部間人(あなほべのはしひと)皇后と,これまた稲目の娘の堅塩姫(きたしひめ)と欽明大王との子の用明大王の長子として生まれた厩戸皇子と蘇我馬子の話。 二人とも仏教を倭国に広めようとしているが,馬子は仏教を大陸文化の代表である飾り物と考え,仏像や寺院建築を百済・高句麗から輸入したが,厩戸皇子は仏教の人間や生き物はみな平等といった教えなど内面的なものを学ぼうとして輸入したいのだった。 老獪な馬子の言うままにはならないぞと言う思いとは裏腹に馬子の先見性や大きな物の味方に畏敬の念も抱く場合もある厩戸だったが,冠位十二階(徳仁礼信義智の大小)を定めたり斑鳩に宮を設けるためには,自分の意思を通すため,体面に拘ることなく馬子の館があり,政治の中心として認めた飛鳥の宮に通い馬子を説得するなどし,実をとった。 厩戸の思想は,これまでの臣姓,連姓やその他の有力豪族にだけに大事な事を決めさせるのではなく,有能なものをとりたて,色々なことを専門に検討する機関を作り,倭国をもっと栄えさせようと考えていた。このため,その当時,牛馬と変わらない扱いを受けていた奴婢に対しても,自分たちと同じ人間であると考え,待遇の改善に取り組んだ。政治の根幹は,民が健康であまり不平を抱かないことにあると考えており,民が喜んで働くようにしなければならないとも考えた。 厩戸皇子を,お札の絵と学校の教科書で習う程度しか知らなかった自分だったが,聖人君子というわけでもなく,『自分には欲もあるし,今の贅沢な暮らしは捨てられない』と言うように,決して釈迦のような人間ではないと,生身の人間を感じれた。 厩戸がなくなる前の数年間は馬子に疎外されたようだが,それはこの小説には詳しく触れられていない。 全4巻。

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