フロイト の商品レビュー
精神分析学の体系は壮大な伽藍の趣きで学習者をたじろがせる面貌だが、突き詰めてゆくと最後に問題になるのは「自我」の強度である、ということに帰すると考えると(それがフロイトは最後の合理主義者と言われる所以にもなるが)、案外シンプルである。 本書はフロイト自身の自我の発達を追いながら、...
精神分析学の体系は壮大な伽藍の趣きで学習者をたじろがせる面貌だが、突き詰めてゆくと最後に問題になるのは「自我」の強度である、ということに帰すると考えると(それがフロイトは最後の合理主義者と言われる所以にもなるが)、案外シンプルである。 本書はフロイト自身の自我の発達を追いながら、伽藍建築が進められてゆく様子をたどるのだが、数多の挫折や葛藤に見舞われる現実生活を学説に昇華させてゆく意志力は、安直なヒーロー物語とは無縁の刺激に満ちている。 賛美よりも苦汁を読み取りたい。
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[ 内容 ] [ 目次 ] [ POP ] [ おすすめ度 ] ☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度 ☆☆☆☆☆☆☆ 文章 ☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー ☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性 ☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性 ☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度 共感度(空振り三振・一部・参った!) 読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ) [ 関連図書 ] [ 参考となる書評 ]
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