讃歌 の商品レビュー
『日輪の翼』から一応話が続いているが、切り離して考えた方が良い本作。爆発的な性の奔流が全篇渡って迸る。コンセプチュアルが故、中上の悪いエゴが出過ぎている気が。。 感覚的に描きたい事は分かるが、読ませる気はいつも以上に無い。
Posted by
性のサイボーグとか、第三の性とか、そんなたいそうなものではなくて、ただ中上健次がバブル時代のマイノリティ・カルチャーをドヤ顔で描いてみせたという感じ。はじめにコンセプトありきで、ポストモダンやニューアカの影が少しうるさい。フランスから来た「フー子」とか「ロラン子」とかが出てきて、...
性のサイボーグとか、第三の性とか、そんなたいそうなものではなくて、ただ中上健次がバブル時代のマイノリティ・カルチャーをドヤ顔で描いてみせたという感じ。はじめにコンセプトありきで、ポストモダンやニューアカの影が少しうるさい。フランスから来た「フー子」とか「ロラン子」とかが出てきて、それも時代だなぁと。中上健次の巧さは端役の使い方とエピソードのつなぎかもしれない。イーブに捨てられた白豚がそのまま後を歩いて追いかけていって、イーブの仲間たちと一緒にバーに入り、居座るところ。途中でフレームアウトさせず、次のシーンまで残らせるところが、なにげにすごい。
Posted by
- 1