むずかしい愛 の商品レビュー
カルヴィーノの短編集…
カルヴィーノの短編集ですね。全ての短編の表題が「~の冒険」となっております。とはいっても内容は、ちょっとしたずれが、日常の風景を一変させ、冒険になってしまうというものです。
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カルヴィーノ独特の、…
カルヴィーノ独特の、繊細でユーモラスなタッチで描かれる登場人物が良い。
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ほんの数ページに書か…
ほんの数ページに書かれている短篇が12篇おさめられています。どの短篇も登場人物の心情が細やかに描かれています。
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サントリー角瓶がかつて掲げた宣伝文句、「『角』÷H20(筆者註:エイチツーオー)」。 太い角張ったゴシック体で提示されるその強烈なキャッチコピーにつづいて、読者の視線を引き寄せる細かなボディコピーは、「そのH2Oが問題なのです。井戸水に限るという者がいるかと思えば、いや井戸水はい...
サントリー角瓶がかつて掲げた宣伝文句、「『角』÷H20(筆者註:エイチツーオー)」。 太い角張ったゴシック体で提示されるその強烈なキャッチコピーにつづいて、読者の視線を引き寄せる細かなボディコピーは、「そのH2Oが問題なのです。井戸水に限るという者がいるかと思えば、いや井戸水はいけないという者がいる。そこへ、ミネラルウォーターが良いと口をはさむ者がいて、…」とえんえんと続き、広告文にしてはかなり多い文字数を割いている。水割りとひとくちにいっても流儀がいろいろあるのだ。誰もが井戸水に与するわけでもないし、口をきわめてミネラルウォーターを礼賛するとも限らない。愛はむずかしい。 むろん話は角瓶に留まらない。「健康」や「幸福」だってそうだ。 一見簡単そうに思える事柄だが、突き詰めて考えるほど、知らず知らずのうちに、イバラに満ちた陥穽へと人を陥らせないではおかない不朽の主題だ。健康志向が高まる社会ほどじつは頻りに不健康をかこっているし、幸福とは何かを考えないでいられる人間こそ幸福だということわざもある。考えずにいられるなら結構だと私も固く信ずるところだ。問題は、考えざるを得ない道筋が往々にして勝手にひらけることだ。たとえば、何気なく水道水で割っていたウイスキーが急に不味く感じる。たとえば、気持のいいはずの風呂上がりにも関わらず、なぜかすでに頭に痒みを覚えていることに思い至る。たとえば、宴会のさなかにあって、口角があがっているのに自分が内心少しも愉快でないのを悟る。これでいいのか、と思うからには、これではよくないかも、の疑念が芽吹いていて、もはや、磐石な、これでいいのだ、には永劫帰れない。 知らぬ間に足を踏み入れてしまう「冒険」を本書『むずかしい愛』は描く。 安穏と日を送るどころか、悪寒さえ催させるアウェイな環境下にあって、それでもこだわることや突き詰めることをやめられない、人間のむずかしさをとくと思い知る。へとへとになりながら、終わらない旅路の果てに12の主人公たちが辿り着く景色に、普遍的な教訓の色は滲み出ない。ただただ、つまずき、めげる苦労を反映して刻まれた足跡だけが残る。愛はむずかしく、ゆえに、悲しい哉、おもしろい。
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まっぷたつの子爵の作者カルヴィーノの現代を舞台にした短編集。12編がのっていてすべてのタイトルが「○○の冒険」となっている。 日常の一部が違う側面をみせたようなそんな瞬間をきりとって描写している。物語性からかけ離れている。語りたい部分以外を剥ぎ取った姿だ。 12編もあればどこか...
まっぷたつの子爵の作者カルヴィーノの現代を舞台にした短編集。12編がのっていてすべてのタイトルが「○○の冒険」となっている。 日常の一部が違う側面をみせたようなそんな瞬間をきりとって描写している。物語性からかけ離れている。語りたい部分以外を剥ぎ取った姿だ。 12編もあればどこか自分に刺さるものがある。 ある旅行者の冒険・ある兵士の冒険の列車の中の出来事が好き。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
「ある夫婦の冒険」はなかなか良かったですが、それ以外は驚くほど何も起きず、これといったオチも無い話ばかりでした^^;。左脳人間の僕には正直楽しみ方が分からない本かな~。ただ、このオチが無いところが好きな人は好きなのかな?妄想好きの人はきっと共感出来る本じゃないかなと思います。 ※「ある読者の冒険」辺りは特にオススメ
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原書名:(Calvino, Italo, 1923-1985) 著者:イタロ・カルヴィーノ(1923-1985) 訳者:和田忠彦(1952-)
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文体はパロマーとよく似ているが、出てくる人は痴漢か、良く言って気持ち悪い人。まあそれはいいとして。 カルヴィーノは「パロマー」「ある冬の夜...」「木のぼり男爵」「最後に鴉が...」「見えない都市」などいくつか読んだが、なんだか掴み所のない人という印象だ。文章は上手いし、着想は非...
文体はパロマーとよく似ているが、出てくる人は痴漢か、良く言って気持ち悪い人。まあそれはいいとして。 カルヴィーノは「パロマー」「ある冬の夜...」「木のぼり男爵」「最後に鴉が...」「見えない都市」などいくつか読んだが、なんだか掴み所のない人という印象だ。文章は上手いし、着想は非凡だ。でもそれでなにを書きたいのか、なにを考えているのかが私には今ひとつ分からない。理知的過ぎるというか、ちょっと冷めた印象だ。この本のタイトルは「むずかしい愛」...。ここに書かれているようなことは、そりゃあらゆる意味でむずかしいだろう。そしてそもそもこれは愛なのか...⁇わからん...... 完全なる蛇足 冷めていると感じるほど理知的であるという点で、バレンボイムさんのピアノに似ているなと思い、YouTubeで調べてたまたま出てきた(https://m.youtube.com/watch?v=h3OidpRYxx8)を見たら、思いの外めちゃくちゃに面白く、しかも分かりやすくて感動した。音楽に自分を捧げること。それは誰でも、今すぐにでもできることで、それは大切な他者に尽くす行為とも共通する。。ここまで言えたら達人だろう。視点が高い。一は全ということか。
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2008年12月19日~19日。 面白い。 薄い本でもあるので、一気に読み終えてしまった。 彼の作品によく登場する自意識過剰な人物も健在。 一見、何でもないような日常も、物の見方一つでこうも変わってしまうのか、といった感じ。 「ある読者の冒険」や「ある近視男の冒...
2008年12月19日~19日。 面白い。 薄い本でもあるので、一気に読み終えてしまった。 彼の作品によく登場する自意識過剰な人物も健在。 一見、何でもないような日常も、物の見方一つでこうも変わってしまうのか、といった感じ。 「ある読者の冒険」や「ある近視男の冒険」には、思わず大笑いしてしまうようなテイストもある。 そして最後にはホロリとするか、暖かい気持ちになるか、深く考え込んでしまう。 「ある夫婦の冒険」なんて、凄くいい気持ちにさせてくれる。 宇宙規模のホラもいいけど(「むずかしい愛」はちょうど転換期の作品に当たるようである)今まで読んだ彼の作品の中では今のところ最高に面白かった。
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『むずかしい愛』は、現代人の日常生活の中でのさまざまな“すれちがい”のおかしさを集めた、ユーモアとエスプリに満ちた短篇集である。活字中毒者が繰り広げる微笑ましい恋愛光景を描いた「ある読者の冒険」、写真マニアの秘かな願望を探る「ある写真家の冒険」他、全12篇を収録。 --このテキス...
『むずかしい愛』は、現代人の日常生活の中でのさまざまな“すれちがい”のおかしさを集めた、ユーモアとエスプリに満ちた短篇集である。活字中毒者が繰り広げる微笑ましい恋愛光景を描いた「ある読者の冒険」、写真マニアの秘かな願望を探る「ある写真家の冒険」他、全12篇を収録。 --このテキストは、絶版本またはこのタイトルには設定されていない版型に関連付けられています。
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