精神科医はなぜ心を病むのか の商品レビュー
精神医学教育の質、教育指導、精神科治療の妥当性、などなどエピソードを介して、精神医療の生々しい一面が描かれている。 うつ病のモノアミン仮説は真に受けていいのか、精神科の診断は当てになるのか、精神科医と製薬会社の近すぎる距離感はどうなのか、日本の治験事情、諸外国と比べた場合の日本の...
精神医学教育の質、教育指導、精神科治療の妥当性、などなどエピソードを介して、精神医療の生々しい一面が描かれている。 うつ病のモノアミン仮説は真に受けていいのか、精神科の診断は当てになるのか、精神科医と製薬会社の近すぎる距離感はどうなのか、日本の治験事情、諸外国と比べた場合の日本の処方量など、気になる事項は多い。 精神科医がなぜ病むのかというエピソード以上に、精神科医の取り巻く状況を克明に描いている感じです。 特に精神科の教育現場、指導はオンザジョブトレーニング的で、結果的に医師の能力は個人の能力に依存している感じになるだろう。 良い医師を見つけるには、歩いてナンボになる。 これもまた、"精神科を訪れる前に読んでほしい本"の部類に入る。
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本題の精神科医はなぜ心を病むのかというのは謎のまま(というか本文と題名が乖離している)が、日本の精神医学の特殊性、世界との違いがはっきりわかった。精神科医の教育の問題、政治の問題など広く浅く精神医療の問題性を浮き彫りにしていると思う。うつ病などにも運動療法が効くとか、抗鬱として葉...
本題の精神科医はなぜ心を病むのかというのは謎のまま(というか本文と題名が乖離している)が、日本の精神医学の特殊性、世界との違いがはっきりわかった。精神科医の教育の問題、政治の問題など広く浅く精神医療の問題性を浮き彫りにしていると思う。うつ病などにも運動療法が効くとか、抗鬱として葉酸であったり、セントジョーンズというハーブが効くなんてまったく知らなった。読書療法やコンピューター療法などイギリスの取り組みも興味深い。
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2012/02/17 今まで読んできた精神科医の書いた著書の中では 一番読みやすく、かつまともな印象を受けた。 「精神科医は一般人の五倍自殺する!?」 という前書きから始まり、精神科医自体の抱える問題、 その背景としての医師不足や多様化するニーズ、 日本における精神科医の育成...
2012/02/17 今まで読んできた精神科医の書いた著書の中では 一番読みやすく、かつまともな印象を受けた。 「精神科医は一般人の五倍自殺する!?」 という前書きから始まり、精神科医自体の抱える問題、 その背景としての医師不足や多様化するニーズ、 日本における精神科医の育成システムのお粗末さ、 結果として、薬も満足に使えない医師を生み出している現状が 生々しく書かれている。 第9章では、精神科医に頼らずできるセルフヘルプとしての サプリメントや読書療法、認知療法、運動療法などが紹介されており、 現在、病に悩んでいる人でも気軽に実践できるものでした。 まだまだ精神科は発展途上であり、精神療法を体系的に学ぶには 欧米できちんとした訓練を受けるという選択肢も 大いに考えるべきだと思った。 ちなみに、この本で紹介されている 統合失調症の切り札とも言える治療薬クロザピンは、 2009年以降、無事日本でも販売されるようになった。
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