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聖徳太子(1) の商品レビュー

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2019/05/07

梅原猛 「 聖徳太子 」 1/4(仏教の勝利) 面白い。日本書紀と朝鮮古代史の文献から、仏教史と聖徳太子誕生前の歴史をまとめている。特に 梁の武帝、百済の聖明王、蘇我馬子など 崇仏的な政治指導者の政治権力の歴史の詳細を記述。 なかなか聖徳太子は出てこないが、日本書紀における...

梅原猛 「 聖徳太子 」 1/4(仏教の勝利) 面白い。日本書紀と朝鮮古代史の文献から、仏教史と聖徳太子誕生前の歴史をまとめている。特に 梁の武帝、百済の聖明王、蘇我馬子など 崇仏的な政治指導者の政治権力の歴史の詳細を記述。 なかなか聖徳太子は出てこないが、日本書紀における朝鮮関係史と 仏教伝来プロセスが 面白い。「聖徳太子を明らかにすることは 日本を明らかにすること」という 著者の意気込みが 伝わってくる。 この本の視点 *聖徳太子を東アジア全体の状況の中で見直す *聖徳太子の国家指導者と仏教崇拝者の2つの立場の統一 政治権力について *政治権力には宗教による権威づけが必要 *権力は合理的ではない→ただ政府の中枢を抑えるだけでは安泰ではない→血の支配(政略結婚)が必要 政治に必要な2種類の人格 1.非政治的な聖なる人格〜聖なる人格を中心に 集団は統一を保つ→聖徳太子 2.集団の利益を計算し課題を処理する人格→蘇我馬子 梁の武帝 *仏教の仁=慈悲 により梁が滅んだ 百済から日本に仏教が伝来した意味 *仏教を新しく文化として伝来し、日本の軍隊を獲る 蘇我馬子 *蘇我氏の崇仏派と 物部氏、中臣氏の排仏派の争い 聖徳太子 *聖徳太子は 仏教を日本に入れた欽明帝の孫、最初の崇仏派皇帝 用明帝の子

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2014/12/16

『隠された十字架』(新潮文庫)で、法隆寺は聖徳太子の鎮魂寺だとする説を発表し、論争を巻き起こした著者が、聖徳太子の生涯を、幅広い視野のもとで考察した本です。 著者は、津田左右吉に始まる実証主義的な歴史学の方法に、厳しい批判を投げかけます。津田らは、『日本書紀』をはじめとする聖徳...

『隠された十字架』(新潮文庫)で、法隆寺は聖徳太子の鎮魂寺だとする説を発表し、論争を巻き起こした著者が、聖徳太子の生涯を、幅広い視野のもとで考察した本です。 著者は、津田左右吉に始まる実証主義的な歴史学の方法に、厳しい批判を投げかけます。津田らは、『日本書紀』をはじめとする聖徳太子に関する文献の中に矛盾を見いだし、それらは後世の作り話だと断じたと著者は言います。一方、和辻哲郎は、そうした神話が作られた精神へと遡源することをめざしました。これに対して著者は、聖徳太子に関するさまざまな伝承が作られた政治的状況から太子の生涯に迫るとともに、何よりも太子の「人間」に肉薄することをめざしていると言えるように思います。そのため、本書が描き出す聖徳太子像は、血の通ったものに感じられます。その一方で、本書の聖徳太子像には著者自身の思い入れが加わっていることにも、留意しておく必要があるように思います。 第1巻では、朝鮮半島の政治状況とそれに対する日本の対応について触れ、百済から日本に仏教が伝えられた理由を探っています。さらに、蘇我氏と物部氏の間の崇仏論争についても、詳しく論じられています。

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2014/03/01

(1~4巻通じての感想です) 読みごたえありました。日本の文献や東アジアの状況などを踏まえた大作で、しっかり書かれています。 梅原猛氏の、科学者としての冷静な分析と文学者としての情熱が文章から感じられました。 直観力、着想はいつものことながら素晴らしいです。 なお、若干気に...

(1~4巻通じての感想です) 読みごたえありました。日本の文献や東アジアの状況などを踏まえた大作で、しっかり書かれています。 梅原猛氏の、科学者としての冷静な分析と文学者としての情熱が文章から感じられました。 直観力、着想はいつものことながら素晴らしいです。 なお、若干気になりましたのは、たまに推論、仮定の上に推論、仮定が展開され、いつの間にか事実のように論理展開ているところがあることでした。

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2009/10/07

池袋の古本屋で4冊セットで購入しました。全部で確か1000円位だったと思います。一冊新規で購入すれば700円か800円するので大変お買い得!とホクホクして帰ってきました。ただ4冊もあるし梅原さんの本は読むのに時間がかかるので躊躇していたのですが、ちょっと前に父が「聖徳太子はいなか...

池袋の古本屋で4冊セットで購入しました。全部で確か1000円位だったと思います。一冊新規で購入すれば700円か800円するので大変お買い得!とホクホクして帰ってきました。ただ4冊もあるし梅原さんの本は読むのに時間がかかるので躊躇していたのですが、ちょっと前に父が「聖徳太子はいなかった」なる新書を買ってきまして。それをまあ読みかけて最後まで読めなかったものですからじゃあこっちを読もう、と思った次第でございます。 4巻まで読みきった後に感想を書こうかと思ったのですがそうすると1巻の内容を忘れてしまいそうなので… 大和朝廷の頃の日本だって諸外国との歴史情勢を考えなくてはわかりえない事実がある、と言う事はよくわかります。もともと文化は大陸から入ってきたのですし、今の日本を考えるときどうしても関東を中心に考えがちですが昔は大陸に近かった場所に都があったんですしね。それにしても古代の昔から日本の外交政策ってあまり上手じゃなかったんだなあ、と言う下りにおかしくもあり、苦々しくもあり。もともと大陸から移動してきた人たちが日本と言う国を興した、と言われている割には日本は大陸情勢に疎いですね。それはやっぱり海があったからなのでしょうか。文化果てる国だったんだろうなあ、当時は。 今で言う日本のKYっぷりにさぞ百済も高句麗も苦労しただろう、と思いました。 聖徳太子の活躍はこれからです。2巻に入ります。

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