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サイエンス・ビジネスの挑戦 の商品レビュー

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2009/10/04

ハーバード・ビジネススクール教授の著者がこの四半世紀、サイエンスとビジネスの融合の場として試されてきたバイオテクノロジー産業の多くの失敗について冷静に分析し、今後秘めた能力を最大限発揮するために必要な改革について述べている。 アムジェンの大成功により、バイオベンチャーの平均デ...

ハーバード・ビジネススクール教授の著者がこの四半世紀、サイエンスとビジネスの融合の場として試されてきたバイオテクノロジー産業の多くの失敗について冷静に分析し、今後秘めた能力を最大限発揮するために必要な改革について述べている。 アムジェンの大成功により、バイオベンチャーの平均データーが大きく歪んでいるという事実。製薬メーカー経営陣が今もって正しいと信じてやまないM&Aによる規模拡大の非合理性など、製薬業界の常識を切り捨てる、本書内の数多くの提案はライフサイエンス分野の読者の皆様にとっても、 非常に有益なものとなるであろう。 (ともあき)

Posted byブクログ

2011/08/07

ITブームの頃、セレーラなどのバイオテック企業株が月まで上ぼった。その後ITバブルの崩壊に先立って、セクター全体が大暴落を演じたのはまだ記憶に新しいところ。著者はこれはバイオサイエンスが有する構造的な問題だという。ビジネススクールの教官が書いた本で、文中には「アムジェンとJ&am...

ITブームの頃、セレーラなどのバイオテック企業株が月まで上ぼった。その後ITバブルの崩壊に先立って、セクター全体が大暴落を演じたのはまだ記憶に新しいところ。著者はこれはバイオサイエンスが有する構造的な問題だという。ビジネススクールの教官が書いた本で、文中には「アムジェンとJ&J」の対立がほとんど説明なしに出てきたり、ちょっと予備知識がないと難しい。・まず、そもそも方法論を重視するサイエンスと結果を重視するビジネスでは相容れない。バイオのように、成否の予測が極めて困難な、ある種のアートを必要とする分野では安定したリターンを望むのは絶望的に難しい。バイオ株は1944年のシンテックス以降、1976年のジェネンテックまで上場がなかったが、90年代を中心にその後のIPOが激増している。参入の増加によって収益自体は増えているが、利益はほとんど出ておらず、アムジェンを除くと業界全体での利益はマイナスになる。・産学協同が問題で、大学で開発されたあまりに初期の分子・方法だけを元に企業を設立し、資本を集めても成功率が低すぎてリターンが得られないのだという。「たとえ時間を与えても、この産業に大量の果実は実らない」と極めて悲観的な立場が語られる。・統計データからは、資金のある企業は臨床試験を先のフェーズまで進めるが、かならずしもそれで成功の確率があがるわけではないことが読み取られる。(資金があるだけに諦めがつかない)

Posted byブクログ