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時代に挑戦した女たち の商品レビュー

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元国連難民高等弁務官…

元国連難民高等弁務官の緒方貞子さんをはじめとしたさまざまなフィールドで活躍した女性を描いた本。対象となっているのは、沖縄で殉職した韓国人女医、ラストエンペラーの弟の次女、ニューヨークで老人福祉に取り組む女性、元駐日アメリカ大使の妻、A級戦犯の妻といった方々です。

文庫OFF

2012/10/14

 正直なところ1990年代の本のわりには、「時代に挑戦した……」というのが古めかしい、一時代前の女性の権利云々的なにおいがしてイメージ的にはマイナスだと思うんだけど、それぞれの道で活躍している(活躍した)6人の女性について書かれている。 ・沖縄で殉職した韓国人女医鄭宝宝 ・ラスト...

 正直なところ1990年代の本のわりには、「時代に挑戦した……」というのが古めかしい、一時代前の女性の権利云々的なにおいがしてイメージ的にはマイナスだと思うんだけど、それぞれの道で活躍している(活躍した)6人の女性について書かれている。 ・沖縄で殉職した韓国人女医鄭宝宝 ・ラストエンペラーの令弟愛新覚羅溥傑の次女嫮生 ・新手法で老人福祉に取り組むJASSI会長ミドリ・島内・レダラー ・学究生活から国際舞台に出た国連難民高等弁務官緒方貞子 ・二つの母国で生きた元駐日アメリカ大使夫人ハル・ライシャワー ・A級戦犯、板垣征四郎大将夫人喜久子(あとがきに代えて)  それぞれの活動がバラバラでいまいち統一性に欠ける感じはするが、特に意識的に飛び込んだわけでなく、おかれた場所で花を咲かせることができるというのを示している点は共通点といえるかも。これって女性の特性かもしれない。  ところで、そもそもこの本を読もうと思ったのは、韓国への関心が高じて「沖縄で殉職した韓国人女医鄭宝宝」ってどういうことだろうと思ったから。医師不足だったかつての沖縄では、韓国や台湾から僻地医療の人材を募っていたらしい。しかも、植民地下で日本の医師免許を取得していた壮年~老年の医師を募っていた。なぜなら日本で問題なく医業ができる資格を有しているからだ。これって、人材不足の僻地医療を成り立たせるための苦肉の策ではあろうが、何ともご都合主義という気もする。しかも、こういう募集にキリスト教的な精神や善意でこたえた韓国、台湾の人がいたということにびっくりした。そして、鄭氏のように任地で殺されてしまったような人もいるというのに、今日ではあまり顧みられていないようなのも気にかかる。

Posted byブクログ