哲学の歴史(第3巻) の商品レビュー
こういう本は一回通して読んだところで理解できるものじゃない。基礎知識、関連知識が必要だし、何より読み手の心をタイムトリップさせて当時のマインドモードに近づかないとなかなか心に残るものが得られないという気がした。まあ、アリストテレスあたりから始めるべきか。
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読んだのはアウグスティヌス関連のところだけですが・・・ 非常に読みやすかったです。 ただ、やっぱりこういう解説書は原典にも目を通したうえで読まないとだな、とは思いました。 抜粋に次ぐ抜粋なので・・・なんとなくでも原典を一読した後で、振り返りつつ振り返りつつ読むと胸に落ちるものがあ...
読んだのはアウグスティヌス関連のところだけですが・・・ 非常に読みやすかったです。 ただ、やっぱりこういう解説書は原典にも目を通したうえで読まないとだな、とは思いました。 抜粋に次ぐ抜粋なので・・・なんとなくでも原典を一読した後で、振り返りつつ振り返りつつ読むと胸に落ちるものがある、と。 しっかし分厚いな。。。
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この「哲学の歴史」シリーズは、考えることのとっかかりとしては良いだろう。 第3巻はイブン・シーナー、イブン・ルシュドなどのイスラム哲学者や、ドゥンス・スコトスゥス、オッカムなどなどについての論述が収まっている。 このあたりを、もっと専門的に勉強したいのだが・・・
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ギリシャ哲学から進んで、ローマ帝国におけるキリスト教の容認(ミラノ勅令:313年)を経てから、東ローマ帝国の終わりまでの中世の期間を対象とする。いわゆる中心となるのはスコラ哲学であって、それは聖書の記述をそのまま字面的に追えばどうしても生じてしまう矛盾あるいはアンチノミーを新プラ...
ギリシャ哲学から進んで、ローマ帝国におけるキリスト教の容認(ミラノ勅令:313年)を経てから、東ローマ帝国の終わりまでの中世の期間を対象とする。いわゆる中心となるのはスコラ哲学であって、それは聖書の記述をそのまま字面的に追えばどうしても生じてしまう矛盾あるいはアンチノミーを新プラトン主義とアリストテレスらの哲学を借りて解決しようとする試みの哲学の歴史である。 様々な問題があるなかで、その発端となるのは神の完全性と人間の自由意志の問題である。神が全てを支配するならば、それは人間の自由意志を含み、そこには原罪故に贖罪し、またキリストが身代わりになることへの意味がなくなってしまう。逆に自由意志を認めるならば、そこに全てを支配するという神の完全性が崩壊してしまう危険性がある。 これらの問題をプラトンやアリストテレスらの存在論、認識論を軸にして半ば弁証法的に説明を施している。もともとはキリスト教の神学は新プラトン主義と相性がよく、つまりプラトンの存在の前に本質が先立つ、イデアがあり、イデアが質料となり、個物としての形相を生み出す、そのイデアを流出させるのが根本原因である神の存在であるという考え方である。 これに対して、ほとんど中世までその著作をも含めあまり注目されてこなかったアリストテレスがイブン・シーナ-やイブン・ルシュドらのアリストテレス注解を経て影響を与えていく。新プラトン主義とは異なり、存在から本質が認識され、さらに神へと至る新たな見方が出てくる。これらの流れがスコラ哲学となり、しいては経験的認識から自然科学の発展やルネサンス、唯名論や実在論の論争にまで発展する。 存在論という哲学でもとりわけ難解なテーマの初出だけに一読しただけではその全体像や論を捉えきる事はできなかった。もうすこし、精読と他文献にあたることで整理が必要であると感じた。
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