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新世界より(下) の商品レビュー

4.1

331件のお客様レビュー

  1. 5つ

    121

  2. 4つ

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2024/05/05

SFだけど、リアルで寒気さえする作品。呪力は、現代社会の武器と暴力を連想するし、悪鬼は核の抑止力を思わせる。そして、人間がこれまで通ってきた道、起こしかねなかった考え、起こしてもおかしくなさそうな今の社会構造が物語の下地にあるように感じた。

Posted byブクログ

2024/01/01

だいぶ前に読んだけれど記録で。こういうどんでん返し系ミステリ?好きだなあ。あとは作品の世界観、どことなく退廃的な雰囲気が好きなんだと思った。読後も色々考えさせられる余韻も楽しめる。アニメから入ったけれどアニメも良かった。キャッチコピーが秀悦。

Posted byブクログ

2023/06/17

面白かったんです。 面白かったですが、疲れました。 下巻はハラハラドキドキです。ただ、ちょっとだけくどい感じがしました。 あとエンディングもイメージと違ったなぁ。 先日まで「FACTFULNESS」を読んで、世の中は少しずつ良くなっているということを知っただけに、未来がこの物語の...

面白かったんです。 面白かったですが、疲れました。 下巻はハラハラドキドキです。ただ、ちょっとだけくどい感じがしました。 あとエンディングもイメージと違ったなぁ。 先日まで「FACTFULNESS」を読んで、世の中は少しずつ良くなっているということを知っただけに、未来がこの物語のようだと哀しいなぁと思ってしまいました。 未来は明るくあってほしいですね!

Posted byブクログ

2023/05/29
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

世界観に圧倒された。 難しい、なかなかハマらないと苦しんで読んだ上巻だったが、下巻、後半の展開はのめり込んで読んだ。 面白い面白くないというより、人類の歴史、思想について考えさせられた。常に他種よりも人類が偉いと思い、その人類の中でも人種によって差別し淘汰し淘汰される歴史を繰り返す人間。 スクィーラを弾弓する聴衆のシーンは幾度となく繰り返された歴史の断片なんだろうなと目を背けたくなった。断罪せよと叫び苦痛を与え続け赦しを許さないことこそ悪鬼、業魔なのではないかと思ってしまった。 平和な世界を築くために必要だとして遺伝子操作された、人間としての尊厳が失われた呪力のない人々。 人間だと叫んだスクィーラと、それを嘲笑う真実を知らない呪力を持つ人々。 言葉が通じないから、見た目が違うから、醜いから、理由をつければ殺戮を許していいのだろうか。もちろん同胞、家族が殺されたら殺した相手を憎むだろう。しかし、無間地獄をと高らかに叫び同調する声は恐ろしい。数が集まれば抑圧する。自分は高等な生物と信じて。 力とは知識。 何も知らなかった、は知ろうとしなかったということ。 固執した考えは己を殺し、他者をも殺す。 常に想像を巡らすこと。 そうして未来に警鐘を促し継承していくこと。 早希はやっぱり、上にたつべき勇気ある人で、相手を憂うことができる強さがある。千年後の人類の未来に幸あれ。 早希たち視点で自分たちを見れば彼は酷い計画を企てた罪人なんだけど、我々はこの世界ではスクィーラ側にあたるので、そう考えると革命を起こした英雄に感じる 歴史に正しいはなく、どの視点で見るかで変わり、正解などないんだなぁ

Posted byブクログ

2023/04/06
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

・心から面白かった。虫表現、人間のシやグロテスク描写があるためひとには薦めづらいが その類が平気な人にはぜひ薦めたい。読み切るのに体力がいるので、そうそう再読はしないかも。 A-1がアニメ化しているらしい。画像だけ見たが、バケネズミの容姿は随分マイルドだった。 ・世界観のつくりこみ、説得力と、描写の力が凄まじい。早季と一緒に、バケネズミの巣穴では目眩を、東京地下街では水責めの恐怖を感じながら読んだ。 ・前半までは、大人達との戦いの物語、洗脳からの開放がゴールになるとおもっていた。実際は、もっと我々の無意識の部分を啓こうとする話だった。 ・最も好きなキャラクターは、ミノシロモドキさん。最初に出会うPanasonic製の個体も、最後に出てくる小型のTOSHIBA製も。いちばん現代文明の思想に近く、理解しやすいせいだろうが、親しみを持てた。脅しに屈するのも、悔しげにするのもかわいらしい。ちょうど世間がChatGPTで盛り上がっている現代の自分が見ても、非生物とこれだけ当意即妙に会話できたら楽しかろうなと。 ・本書とは関係ないが、歴史の教科書で18世紀辺りからを「近代」と呼ぶの、ぜんぜん近くないじゃん!と思っている。「現代」も、呼び方をどこかで「直近代」「極近代」みたいなのに変えるか、言葉の意味の方を変える(現代とは20世紀頃を指す言葉であり、イマという意味はないとする)か、どうするつもりなんだろう。 早季たちの世代からすると、2000年まるごと「古代」になるように、どこかで切り方自体も変わるんだろうな。 ・パナの方は2129年時点の記録があるということは、少なくともそこまでPanasonic社は存在しているのかな?100年後も生き残る会社が他にどれだけあるんだろうか。 読者=一般消費者にわかりやすくするためにPとTの2社の名前を挙げたのか、それくらいの未来には 市場を食い合った結果、官公庁の出入り業者も この辺りの大手に集約されてるという読みなのか。 ミノシロモドキを捕獲したスクィーラ達が、思想バキバキになっていくくだりも読みたかった。 ・覚が攻撃性に目覚めず、優しく育ったのは意外だった。守の方が“そう”なるとは。守にとっては真里亜が救いだったろうけど、真里亜がいなかったら守は“そう”ならなかった、もっと無邪気に、弱いながらも健気に育った と自分は読んだので、やるせない。 こういう作品って、だいたい共依存に未来はないものだ。 ・別作品の感想でも書いたが、説明もなく、その世界の当たり前が急に出てくるSFが好きだ。(緻密に説明してくれるSFも同じくらい好きだが) 前触れもなく早季と真里亜が同衾していたくだりで、おっと、これは二人がそういう関係性、いや社会自体がそういう価値観なのか…?となった。真相は「ボノボ」だったわけだが。 6人目を忘れてしまう一班、大玉転がしの後に消えたクラスメイトのことも、そういう世界なんですね…?とじわじわ不快になる。 ・「17歳まで人権がない」本書でいちばんのトリハダポイントの1つだと思う。何世紀前の価値観?!過ちは繰り返されるものなんだ。 ・瞬は結局、家庭環境が不安定だったという理解で良いのかな。才能のために、街で引き取って育てる とかならないのが、何とも未熟な村社会。いや、瞬自身の望みで実家を離れなかった可能性もあるか。 しかし、瞬のシに際に立ち会ったおかげで、早季はあの子を倒す方法に行き着いたわけで、これもまたやるせない。 ・この後は、どういう社会になるべきなんだろうか。 バケネズミを人間として扱い共生してゆく?「元を辿れば〇〇なんだから✕✕するべき」みたいなのは、既得権益を手放すこととなる人間には受け入れがたいだろう。その論で何でも解決するなら、国境問題も民族問題も無い。関わらないのがお互い幸せかもしれないが、「汚れ仕事をする階級」がまた必要になるだけか。 ・エンディングで、早季と覚が結婚したのは拍子抜けした。子どもまで授かるとは。それが彼らの望みなら祝福するしかないが、1000年経っても、人類のハッピーエンドはそれしかないのかと。何もかもを知られている唯一の相手なのは否定し得ないが、他の人たちとも手を取らないと世の中は変えていけないし、覚とは結婚以外の形で支え合う選択をして欲しかったな。渡辺家は両親仲が良かったから、結婚というものを肯定的に見ていたのもあるか。 ・本文は「想像力こそ、」と締められていたが、個人的には表現力が伴ってこそだと感じた。作中で言う呪力しかり、行動力しかり、外へ伝えてはじめて世界を変え得た。 作者も、この物語を想像でおわらせず 緻密に丁寧につくりあげて、世に出してくれたことへ感謝。

Posted byブクログ

2023/03/22
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

出現した悪鬼と人類側の闘いをメインに巻末直前で最初からあった違和感の正体、作品の裏テーマのようなものが明らかになる巻。 人類最強の呪術師達の鮮やか、熾烈な戦いなども見どころ。 次々現れる気持ちの悪いモンスター達は、まるでロールプレイングゲームを進めていく際のドキドキ感をもたらす。 上巻から感じていた人類のバケネズミに対する扱いの酷さ、もとい気持ち悪さが最後の最後で明かされる。人類側の視点で見ればハッピーエンドではあるが、(現)人類の私たちから見れば、大きな力に踊らされてはならないという警告のようなメッセージも感じる。読後、色々と考えさせられる作品。

Posted byブクログ

2023/03/03

読みながら疑問に思っていたことは早季が全て解明してくれた。もっと早く気づけばよかったが仕方がないか。

Posted byブクログ

2022/07/18

めちゃくちゃおもしろかった。 投げ出したくなるような目の前の現実に理性を持って向かっていく早季や覚の聡さと、歴史から目を背けない覚悟がすごくかっこいいしきっとどんな時代でも大切なことだと思った。 最後に書かれてたように、攻撃抑制や愧死機構みたいな極端なルールはそのままリアルな...

めちゃくちゃおもしろかった。 投げ出したくなるような目の前の現実に理性を持って向かっていく早季や覚の聡さと、歴史から目を背けない覚悟がすごくかっこいいしきっとどんな時代でも大切なことだと思った。 最後に書かれてたように、攻撃抑制や愧死機構みたいな極端なルールはそのままリアルな日本人の国民性、言ってしまえば頭の硬さを危惧し示唆しているなと思ったし、最悪の末路を見せられたような気がした。 力をふりかざして間違った方向に傾倒していかない今とこれからがあると良いな…。

Posted byブクログ

2022/06/13
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

最初は設定が複雑で、上中下と読んできたが色々考えるよりも読み進めた方が結果理解すすむとおもった。 時系列も考えるほどわからなくなるし、漢字も多いので地理感などは把握するよりもさくさく読み進めると結果わかってくると思う。 まりあと守の子供が助かるエンディングを少し望んだ部分もあったが、最後まですごくワクワクしながら読み進められました。

Posted byブクログ

2021/11/19

人間おごってはいけません主従関係はいつ変わるかわからないんです深い話ですねドキッとしたりもします。なぜか白土三平先生のカムイ伝を思い出しました。

Posted byブクログ