新世界より(下) の商品レビュー
すごい作品だった。これは確かに後世に残る名作だと思う。 1984のような監視社会の雰囲気に、ハリーポッターのようなファンタジー感、そしてところどころ差し込まれる動物の説明は海底2万里を思い出させる。 なんというか、人間の良いところも醜いところも等身大で表現されてる。バケネズミ...
すごい作品だった。これは確かに後世に残る名作だと思う。 1984のような監視社会の雰囲気に、ハリーポッターのようなファンタジー感、そしてところどころ差し込まれる動物の説明は海底2万里を思い出させる。 なんというか、人間の良いところも醜いところも等身大で表現されてる。バケネズミの正体はやはり衝撃だったけど、何千年後も人間はこうして理想郷を作ろうとして失敗を繰り返すんだろうなと考えさせられた。 内容としてはすごいとしか言いようがないんだけど、やはり人の命が非常に軽いものとして描かれているので、読んでいて楽しいものではないのが残念。読了感にやるせなさが残ってしまう。まぁ、これはただの好みの問題ですけど。
Posted by
紹介されて読み始めたが、まだまだ知らない良品がたくさんあるなぁと感じました。日本製ハリポタとロードオブザリングを合わせた作品のようでした。ところどころあるエッチな描写がなければ、子供達にも広めたいところなのですが、、、
Posted by
とてもおもしろく一気読みです。 新世界の秘密、人間の愚かさ、醜さ、でもその中で必死に生きていく少女少年たちの生き方が描かれています。
Posted by
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
設定が大好物です 異類の成り立ちなんかは涎もんです ただ、サイコバスターのくだりは安っぽくて好きじゃないです 東京を書く理由が欲しかったのかなぁ でも設定は大好物です
Posted by
一緒に冒険しているようで、ずっと緊張状態で疲れてしまいました(笑) 主人公の行動に共感できず、イライラしてしまうことはありましたが、最終的には彼女の判断で平和が訪れたということでホッと一安心です。 それにしても、人間同士が争わないような世の中にするために、人間に都合良く作られた...
一緒に冒険しているようで、ずっと緊張状態で疲れてしまいました(笑) 主人公の行動に共感できず、イライラしてしまうことはありましたが、最終的には彼女の判断で平和が訪れたということでホッと一安心です。 それにしても、人間同士が争わないような世の中にするために、人間に都合良く作られた知能を持った生物が結局、呪力を持った人間より高度な技術を持っていたり、戦術に長けていたりする皮肉… 結局は争いが起きてしまのですね… 最後の遺伝子の話もびっくりです。 平和を維持するって難しいです。
Posted by
SFだけど、リアルで寒気さえする作品。呪力は、現代社会の武器と暴力を連想するし、悪鬼は核の抑止力を思わせる。そして、人間がこれまで通ってきた道、起こしかねなかった考え、起こしてもおかしくなさそうな今の社会構造が物語の下地にあるように感じた。
Posted by
だいぶ前に読んだけれど記録で。こういうどんでん返し系ミステリ?好きだなあ。あとは作品の世界観、どことなく退廃的な雰囲気が好きなんだと思った。読後も色々考えさせられる余韻も楽しめる。アニメから入ったけれどアニメも良かった。キャッチコピーが秀悦。
Posted by
面白かったんです。 面白かったですが、疲れました。 下巻はハラハラドキドキです。ただ、ちょっとだけくどい感じがしました。 あとエンディングもイメージと違ったなぁ。 先日まで「FACTFULNESS」を読んで、世の中は少しずつ良くなっているということを知っただけに、未来がこの物語の...
面白かったんです。 面白かったですが、疲れました。 下巻はハラハラドキドキです。ただ、ちょっとだけくどい感じがしました。 あとエンディングもイメージと違ったなぁ。 先日まで「FACTFULNESS」を読んで、世の中は少しずつ良くなっているということを知っただけに、未来がこの物語のようだと哀しいなぁと思ってしまいました。 未来は明るくあってほしいですね!
Posted by
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
・心から面白かった。虫表現、人間のシやグロテスク描写があるためひとには薦めづらいが その類が平気な人にはぜひ薦めたい。読み切るのに体力がいるので、そうそう再読はしないかも。 A-1がアニメ化しているらしい。画像だけ見たが、バケネズミの容姿は随分マイルドだった。 ・世界観のつくりこみ、説得力と、描写の力が凄まじい。早季と一緒に、バケネズミの巣穴では目眩を、東京地下街では水責めの恐怖を感じながら読んだ。 ・前半までは、大人達との戦いの物語、洗脳からの開放がゴールになるとおもっていた。実際は、もっと我々の無意識の部分を啓こうとする話だった。 ・最も好きなキャラクターは、ミノシロモドキさん。最初に出会うPanasonic製の個体も、最後に出てくる小型のTOSHIBA製も。いちばん現代文明の思想に近く、理解しやすいせいだろうが、親しみを持てた。脅しに屈するのも、悔しげにするのもかわいらしい。ちょうど世間がChatGPTで盛り上がっている現代の自分が見ても、非生物とこれだけ当意即妙に会話できたら楽しかろうなと。 ・本書とは関係ないが、歴史の教科書で18世紀辺りからを「近代」と呼ぶの、ぜんぜん近くないじゃん!と思っている。「現代」も、呼び方をどこかで「直近代」「極近代」みたいなのに変えるか、言葉の意味の方を変える(現代とは20世紀頃を指す言葉であり、イマという意味はないとする)か、どうするつもりなんだろう。 早季たちの世代からすると、2000年まるごと「古代」になるように、どこかで切り方自体も変わるんだろうな。 ・パナの方は2129年時点の記録があるということは、少なくともそこまでPanasonic社は存在しているのかな?100年後も生き残る会社が他にどれだけあるんだろうか。 読者=一般消費者にわかりやすくするためにPとTの2社の名前を挙げたのか、それくらいの未来には 市場を食い合った結果、官公庁の出入り業者も この辺りの大手に集約されてるという読みなのか。 ミノシロモドキを捕獲したスクィーラ達が、思想バキバキになっていくくだりも読みたかった。 ・覚が攻撃性に目覚めず、優しく育ったのは意外だった。守の方が“そう”なるとは。守にとっては真里亜が救いだったろうけど、真里亜がいなかったら守は“そう”ならなかった、もっと無邪気に、弱いながらも健気に育った と自分は読んだので、やるせない。 こういう作品って、だいたい共依存に未来はないものだ。 ・別作品の感想でも書いたが、説明もなく、その世界の当たり前が急に出てくるSFが好きだ。(緻密に説明してくれるSFも同じくらい好きだが) 前触れもなく早季と真里亜が同衾していたくだりで、おっと、これは二人がそういう関係性、いや社会自体がそういう価値観なのか…?となった。真相は「ボノボ」だったわけだが。 6人目を忘れてしまう一班、大玉転がしの後に消えたクラスメイトのことも、そういう世界なんですね…?とじわじわ不快になる。 ・「17歳まで人権がない」本書でいちばんのトリハダポイントの1つだと思う。何世紀前の価値観?!過ちは繰り返されるものなんだ。 ・瞬は結局、家庭環境が不安定だったという理解で良いのかな。才能のために、街で引き取って育てる とかならないのが、何とも未熟な村社会。いや、瞬自身の望みで実家を離れなかった可能性もあるか。 しかし、瞬のシに際に立ち会ったおかげで、早季はあの子を倒す方法に行き着いたわけで、これもまたやるせない。 ・この後は、どういう社会になるべきなんだろうか。 バケネズミを人間として扱い共生してゆく?「元を辿れば〇〇なんだから✕✕するべき」みたいなのは、既得権益を手放すこととなる人間には受け入れがたいだろう。その論で何でも解決するなら、国境問題も民族問題も無い。関わらないのがお互い幸せかもしれないが、「汚れ仕事をする階級」がまた必要になるだけか。 ・エンディングで、早季と覚が結婚したのは拍子抜けした。子どもまで授かるとは。それが彼らの望みなら祝福するしかないが、1000年経っても、人類のハッピーエンドはそれしかないのかと。何もかもを知られている唯一の相手なのは否定し得ないが、他の人たちとも手を取らないと世の中は変えていけないし、覚とは結婚以外の形で支え合う選択をして欲しかったな。渡辺家は両親仲が良かったから、結婚というものを肯定的に見ていたのもあるか。 ・本文は「想像力こそ、」と締められていたが、個人的には表現力が伴ってこそだと感じた。作中で言う呪力しかり、行動力しかり、外へ伝えてはじめて世界を変え得た。 作者も、この物語を想像でおわらせず 緻密に丁寧につくりあげて、世に出してくれたことへ感謝。
Posted by
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
出現した悪鬼と人類側の闘いをメインに巻末直前で最初からあった違和感の正体、作品の裏テーマのようなものが明らかになる巻。 人類最強の呪術師達の鮮やか、熾烈な戦いなども見どころ。 次々現れる気持ちの悪いモンスター達は、まるでロールプレイングゲームを進めていく際のドキドキ感をもたらす。 上巻から感じていた人類のバケネズミに対する扱いの酷さ、もとい気持ち悪さが最後の最後で明かされる。人類側の視点で見ればハッピーエンドではあるが、(現)人類の私たちから見れば、大きな力に踊らされてはならないという警告のようなメッセージも感じる。読後、色々と考えさせられる作品。
Posted by